読売新聞朝刊を見た。パラサイト虐待が増えているらしい。以下記事から抜粋。
高齢者の親の年金や預貯金を子供らが無断で使い込む「経済的虐待」が増えている。
低収入やリストラなど厳しい労働環境が背景にあり中でも同居の親に経済的に依存して
いる中高年層による「パラサイト(寄生)虐待」が目立つ。
高齢者虐待防止法施工から2年。今後、ニートやフリーターの高齢化と共に一層
増えると専門家は警告し対策の必要性を訴えている。
2007年度に初めて実施した全国調査では2006年度の家庭内虐待は1万2569件。種別では暴行などの身体的虐待が63.7%、暴言などの心理的虐待35.9%、介護放棄が29.5%で経済的虐待は27.1%だった。
全ての虐待者のうち、被虐待高齢者との続柄は息子が38.5%と最多で夫14.7%、
娘14.5%、息子の嫁10.7%と続く。
世帯構成で見ると未婚の子との同一世代が最も多く、31.3%を占めた。
栄養失調で脱水症状の女性が運ばれてきた。2006年春、関西のある自治体に病院から通報があった。女性は70歳代でひどく衰弱していた。
2人暮らしの50代の息子は母親の世話で日雇い仕事ができなくなったと話し、母親の
厚生年金で生活していた。母親には認知症の症状があったが気づかず介護サービスは
利用していなかった。母親の容態が悪くなり、119番通報した。センター職員が年金は母親のもの。自分の仕事を見つけてほしいと何度も説得したが働き口がない。
年金がないと生活に困るという言葉が返ってきた。母親の入院費を払わないため息子に
母親の財産管理を任せられないと判断し、自治体と相談し、成年後見制度の利用を決めた。昨年後見人が財産を管理、母親を施設に入所させたが息子とは連絡がとれなくなった。
また別の70歳代女性は生活保護を受けていたが40代の息子がたびたび訪れては現金を持ち出した。息子には定職はなかった。酒を飲み、酔うと拳を女性に突きつけて脅し、金を要求。女性は生活費に困り一日一食でしのぐ事も多くなった。
約2年前、女性はこのままやったら死んでしまうと近所の人に相談して発覚した。
女性は遠方に引っ越したが最初の3ヶ月は息子が追いかけてくるのではと怖くて
外出できなかった。
パラサイト虐待について各地の地域包括支援センターの職員らによると暴行や介護放棄
を伴うケースが目立ち、虐待者の中心は40〜50歳代の男性。
経済状況が変わらなければ親が居場所を変えてもしつこく付け回すのが特徴という。
国は15〜34才のニートやフリーターに対しては進路相談や就労体験を進める拠点を
地域に設けるなど重点的に就労支援している。しかし35歳以上は原則対象外で就労環境が厳しい事が中高年層の虐待者を生み出す背景になっていると見られる。
no.148 ニュースだよ (08/04/01 10:02)