U_sanのいいんですよ。それで。

ドラマ「下町ロケット」を見ようとしたところ
裏番組で「無認可介護ハウス」をやってたので録画しておいた。

無認可介護ハウスというと悪徳とか虐待、拘束、不安全、不衛生・・
いろんなことが思い浮かぶけど、

番組を見た感想として私が思ったこと。それは今一番必要とされている
施設なんじゃないかって。

低料金（番組では食費込で月10万、介護費別途を紹介）ってのはやっぱり大きい。
貧乏人の私からすると月10万というのは目もくらむような額なのだが
有料老人ホームとかだと月20万、介護費別途くらいか。田舎のサ高住なん
かでも月13万、介護費別途くらいなものか。

年金だけで施設に入れるなんてのはもう限られていて、子どもたちに多少の
負担をしてもらわなければまず無理。子どものいない老人なんかは貯蓄していた
としても「いつかは底をつく」という不安は常につきまとうだろう。

安倍ちゃんが特別養護老人ホームを増やすと豪語しているが、それはそれで
素晴らしいのかも知れないが、介護人材の確保はやはりネックになる。
建物だけつくって、そこに働く人がいなければ運営なんてできないから。

特養にいて常に思うことは、その職員の多さだ。現在、国はユニット型という
のを推進していて、職員：入居者の比は大体1：2あたりを配置しているところ
が多い。それに加えて事務員やら用務員やら看護師やら栄養士やら。
なんとも金のかかる施設だこと。

これだけの人数をそろえてなんとかまわしている印象。そんなものを大量に
つくろうなんていうんだから、「そのお金、どっからでるんですか？」と
不思議に思ってしまう。

無認可介護ハウスに話を戻す。基本的に狭い部屋に何人も入れ込む。そんな
感じ。ベッドの大きさがあるので一部屋にいれこむ人数に限りはあるけどね。

番組に登場してた経営者がいっていた。
「お金の都合で有料老人ホームに行けない人たち、なかなか入れない特養を
待てない人たち、そういう需要は必ずある。」

そういう人たちに生活の場を提供していこうとしている経営者もいるんだと
知ったことは大きかった。

料金を安くするためには設備面にまずお金をかけられない。ふつうの民家を
そのまま使ったりしてる。一部屋に何人かを居住させている。なるべく少ない
職員で運営する。

認可をとろうと思えば、個室対応を国から要望される。スプリンクラーの
設置も要求される。大きな出費になるし、運営コストも上がることが
予想される。そうなると低料金での提供が難しいものとなる。

「低料金」という言葉を使ったが、実際安いわけではない。老夫婦2人暮らし
だったとして、片方が認知症になった。24時間気の休まる暇もなく、10分
おきのトイレ誘導とか夜間に叫び声をあげ続けるとか極端かもしれないが
そういう状況が続けば、どこか受け入れてくれる施設がないかなと思うのは
ふつうにあり得ることだと思う。この老夫婦が月20万の収入（年金）として
選択肢は？

デイサービスを利用しつつの在宅介護？
それで解消されるかな。

実際、無認可介護ハウスを利用している家族から「助かっている」という声は
上がってるようだし。

需要があるならば、そこをうまい具合に取り入れればいいのに。お国の方針
とはちがうからと認可しないではなく、折り合いをつけるべくお国は考えて
いくべきだと思う。番組でもいわれていたが「柔軟な対応」が必要なのでは
ないか。

最後に、無認可介護ハウスで働く職員らを見て、自分とそう大差ないことに
気づいた。というか彼らの方が上かなという気もした。
私には介護の心が乏しい。