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爺放談


 ■ 2009/03/31 (火) 少し休憩47


その茶封筒の中には以前私が書いた辞表が入っていました・・・・

「えっ?なんで?」

そしてその他に本社人事部の差し戻しをした担当者の名前が入った連絡用紙が添えてあり、その連絡文は「後日連絡します。」とだけ入っていました。

「なんだ????」


そして次の日・・・・・


「○○さん本社の方から電話が入っています!」

「はい!」

「お電話変わりました、○○ですが!」

「あ〜○○さんですか?私は本社人事部の者ですが・・・・」

「あ〜!あの茶封筒に入っていました・・・・それでなんでしょうか?私の辞表もその中に入っていたのですが・・・・」

「その件なのですが、こちら、本社の人事部にその辞表が届けられ、貴方がうちを退職したいと言う理由もそちらの所長から頂いた報告書を見させていただいたのですが今一分りにくいですので本人から直接理由を聞くことになりましたので一旦辞表を差し戻したしだいなのです。」

「なぜ?そんなことになったのですか?」

「今回の貴方のしていた仕事がきっかけで辞表に至ったとしたら、それは私等としても少し了承しにくいという事です。」

「それもどういう事なのか私には分りませんが・・・・」

「そうですね〜、もう少し説明しますと貴方の所の所長が送ってきた報告書を人事部の上司が読んだ所、何か釈然とせず本社の営業部に問い合わせたらしいのです。
すると、この報告書の通り確かにこの内容の案件が有り、しかしその仕事は最後に失敗に終わったことも確認できました。」

「は〜〜、そうですか・・・・」

「しかし本社営業部でもこの件は噂をしていたぐらい良い所まで行っていたそうで、結果的には失敗に終わりましたがその努力は目を見張る物が有ると営業部は言っていたそうです。」

「・・・・・・」

「そんな訳で本社人事部としても、その様な営業マンを手離す事はうちの損失になると上司が言っていますのでそちらの所長の報告書だけで判断せず、本人に一度確認を取ってから結論をだそうと言う訳です。」

「そうなのですか・・・」

「もし、今回の件がきっかけで辞表を考えたのでしたら今一度考えを変える気は有りませんか?」

「・・・・・・・」

「人事部としましては貴方の処遇を考えています、もしこれからもうちの力に成ってくれるのでしたら上司は移動を検討しております。」

「えっ?」

「本社営業部にこの事を伝えたところ、営業部の部長が貴方を欲しがっていまして、貴方もまた続けるのにそちらではやり難いだろうと言う事、それと本社には大手開拓専門の営業部が有りますからそちらで貴方の力を発揮した方が貴方には良いと思うのですがどうでしょうか?」

「は〜〜〜・・・・」

「ま〜、いきなりのこの話は貴方も戸惑うと思いますので少し考えてみてそれから返事を下さい。」

「あっ、は、はい。」

「とりあえず本社としましては一旦白紙の状態に戻してますからあまり気負わず考えてください、良い返事を待っています。」

「はい!」

「最後に・・・貴方の今回のした仕事は全く無駄ではありません、ちゃんと評価している人もたくさん居ると言う事を言っておきますよ!」

「あっ!有難うございます!」


私はそれまで会社と言うものは、この営業所の所長のように「結果が全て」と言う物が当たり前で「浪花節」などが入り込む余地などほとんど無いものと思っていましたが、この電話で、自分のしてきた事がどこかでちゃんと評価してくれている人も本当に居るし、また、やはり会社と言うものは人間が集まって構成しているものと再認識したのでした。

どんな会社にも此処の所長のように結果だけを判断する人も、他にももっと酷く、同じ仲間を落とし入れようとする人も居ます、しかしどんな社会にもそんな人が居て成り立っています、それは会社でも同じことが言え、今回はそんな人ばかりでは無いと言う事がこうして表れたのでしょう。

しかし私は突然のこの話に「どうしよう?」と悩んでいる時でした・・・・


「○○さん2番に@@食品の社長から電話が入ってます!」

「えっ?@@食品の社長から???」

「はい!お電話変わりました○○です!」

「おーおー○○!何してんだ!俺の知らないうちに来てなんかうちの社員に引継ぎの挨拶に来たんだって?」

「はい!社長が御不在だったので社員の方に挨拶をしておきました!どうもすみません連絡が遅れてしまいまして」

「で?どうしたんだ?そこを辞めるのか?」

「は〜〜〜!」

「なんだよその返事は!わかんね〜な!とにかく今からうちに来い!話があるから!」

「えっ?今からですか?」

「そうだよ!待ってるぞ!」


その会社は、私が飛び込み営業で開拓した一つで、最初は従業員が5人ぐらいの小さな会社でした、しかしその社長は自分で開発した調味料を血の滲む様な努力で何とか軌道に乗せその後は飛ぶ鳥を落とすが如くの勢いで売れまくり、この電話を貰った時点ではもう従業員も100人を超える企業と成っていました。

私はどう言う訳かこの社長に好かれ、私もその会社は他の開拓した会社とは異なりその社長の行動や言葉に惹かれなにより大事にしてきた一つでした。


「話って何だろう???」


しばらくして私はその会社に着きました。


「オーオーよく来た!まーまー入れ!」

「お邪魔します!」


私はこの会社に訪問すると何時も社長が居れば社長室に通されていました。


「社長!来るたびにこの会社が景気が良くなって来ていることが伺えますね!」

「何を言ってる!まだまだこんなもんじゃない!もっと大きくなるぞ!」

「しかし凄いですね〜!私が最初に訪れた時とは大違いです!本当にこれこそアメリカンドリームみたいですね!」

「こんな物で驚いていたのではだめだ!これからはもっと大きくなるぞ!」

「そうですか!私も確かにその様な気がします!」

「おー!それより俺の家を今度見てくれよ!最近建てたんだ!」

「えっ?前の家はどうしたんですか?」

「あんなの売っちゃったよ!今度のは凄いよ!是非君を招待するよ!」

「有難うございます!いずれ伺わせて頂きます。それよりお話と言うのは?」

「おー!そうなんだが・・・・・○○君はそこを辞めるのか?」

「は〜〜〜!とりあえずは保留と言うことになっているのですが・・・」

「そうか〜〜!話と言うのはなんだが、単刀直入に言うとうちに来ないか?」

「えっ?」

「いや!うちで働かないか?って言っとるんだ!」

「そんな・・急に言われましても・・・・」

「今いくら貰っているんだ?せいぜい2〜30だろ?」

「で〜〜!そんなことを・・・・」

「お前の力で2〜30じゃやってられないだろ!」

「そんなことは・・・・」

「俺の所へ来い!お前ならもっと稼がせてやる!そしていずれは独立させてやるぞ!」

「えっ!独立ですか!」

「そうだ!独立だ!いずれはお前をうちの販社として独立すれば良い!」

「そんな事をどうして私なんかに?」

「なんかお前が好きなんだよ!細かい理屈は無い!」

「そんな重要な事を簡単に仰らないで下さいよ、それに社長にも御親戚とかたくさん居られるでしょう、それと他にも従業員の方々が黙っていませんよ!」

「そんな事は気にせんで良い!俺が築いた会社をどうしようと俺の勝手だ!」

「そんなことは・・・・」

「お前はうちがまだ小さい時の頃から付き合ってお前の仕事ぶりを俺は見てきたし俺の相談にも乗ってきてくれた、そんな時からお前の様な営業マンが居てくれればうちの会社もどれだけ助かるか・・・と思っていたんだ。」

「ちょっとやめてくださいよ〜!別に私は特別なことは一切していませんし勘弁してください!」

「なんだ!いやなのか?」

「い、いえ、そんな事は言ってません!」

「じゃ〜どうなんだ?そんなとこは早いとこ辞めちまって俺んとこへ早く来い!」

「分りました!ただ社長もう少し時間を下さい!今の会社にも色々ありますのでいろんな事を片付けてから返事をしますのでどうかもうしばらく猶予をください。」

「じれったいな!ま〜しょうがね〜か!じゃ2〜3日な!」

「はい!2〜3日で答えを出します!」


その日は突然の話が2件飛び込んで、その二つとも私にとって良い方向なのかどうかは分りませんが取り合えず昨日よりは間違い無く良い方向だと思います。


しかし私のこれからの人生に大きく左右する事柄だけに昨日よりも悩む夜になりました・・・・・・・・








名前

内容

告発者 ネタm9(^Д^) (09/04/01 00:09)
ホームレス ボンさん お初にお目にかかります!コメント大変有難うございます!この日記はほぼ実話です!しかしあまり長く説明を要しなければならない事柄については多少の脚色もしてありますが大筋では変わりませんので実話と取ってもらえて結構だと思います。 (09/03/31 23:27)
ホームレス 告発者っち そうだよ!ネタ探しにちょっと出張行ってたぜ!^^ (09/03/31 23:23)
ボン この日記って実話ですよね (09/03/31 20:49)
告発者 少し休憩と言いつつ、これで47!!しかも1週間ぶりだおm9(^Д^)ネタ切れでネタを探していたな(°Д°) (09/03/31 20:22)


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