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爺放談


 ■ 2009/10/18 (日) 愛と青春の旅立ち・・・・・21


「それでだ・・・・・」


男はタバコに火を点け、話を彼の目的の方に戻しました。


「君に話したと思うがあのお店は私の店だがそれだけではない」

「はい?」

「彼女の持っている物全てが私によるものだ!」

「えっ?」

「彼女の持っている物、例えば家もそうだ!」

「えっ!あのマンションもですか?」

「そうだ!あのマンションもマンションの中にある全ての物、それ以外にもあるぞ!彼女の着る服、靴、歯ブラシに至るまで私が用意したものだ!」

「そ・それはどうして・・・・」

「当たり前だ!彼女が前の男と手を切った時、彼女は無一文だった!それを私が現在までになるまで面倒を見たのだ!」

「そ・そこまでして・・・・・」

「私は彼女がいずれ夜の世界で金を生むと踏んだからだ!それまではある程度は投資せねばならん!」

「失礼ですがそれ以外の意図は無かったのですか?」

「それ以外とは?」

「い・いや・・・ママを・・・・・」

「バカか?私がママを女として見ているか?と言う事か?」

「はい・・・・」

「私は今までその様な感情にとらわれた事は一切無い!私が見る女も男も、人間全てが金だ!そんな甘っちょろい感情はこの業界では命取りになる!常に相手の隙を伺っているのがこの業界だ!そこで生きてこれるのは甘い感情をすてた者だけだ!」

「・・・・・・」

「君が言っていた、私が彼女を縛っていると言うのは間違いではない、確かに縛り付けている!しかしそれは彼女も望んだ事だ!前の男からの一件で彼女をもう誰も助ける者など居ない!だから彼女は私に近づくしかなかったのだ!」

「・・・・・・」

「それも全ては金のためだ!金が無くては彼女も生きてはいけん!私は彼女の可能性に出資し、彼女はそれに応じただけだ!」

「・・・・・・」

「さーどうする?ここまで聴いてそれでも君は彼女を私から奪う事ができるのかね?」

「・・・・・・」

「どうした?なんか言ってみろ!これぐらいで言葉を無くしたのかね?」

「違う!」

「うん?」

「なんかが違う!」

「何が違うのかね?」

「ママの人生がこのままだとおかしくなる!こんなのがママの人生じゃない!」

「人生???ふふ!またなんかおかしいことを言い出す!ふふ!まー良い!聞いてやる!話してみろ!」

「こんなんじゃママが寂しすぎる!これじゃ奴隷じゃないか!」

「奴隷?」

「そうだ!これじゃ奴隷だ!ママは貴方の奴隷でしかないじゃないか!そんな事は今の常識ではおかしすぎます!ママも一人の人間なんです!自由に生きる権利がある!恋愛もする権利がある!それを束縛する権利は誰にもありません!」

「ふふふ!いかにも君が言いそうな主張だな!」

「何がおかしいのですか?」

「おかしいから笑っただけだよ!」

「なら理由を言ってください!僕が言った事がおかしい理由を!」

「君は何のために生きているのかね?」

「またさっきの質問みたいですね!そして貴方はそれも金と言いたいのでしょ?」

「そうだ!君も彼女も・・・・そして私も結局は金の為に生きているんだ!その意味では世の中全ての人々は金の奴隷なんだ!」

「そんなに金が重要なんですか?」

「重要だ!そんな奴隷も金で開放される!金が有れば一時の時間が買える!その買った時間の中で人は自由を手に入れるのだ!唯一その時間だけが自分を奴隷から開放してくれるのだ!」

「もうそんな事は聞き飽きました!僕はそうは思わない!僕は自由に恋愛もしているし自由を謳歌しているつもりです!そしてママにも僕のように生きて欲しい!それだけなんです!」

「それでどうしたのだ?私はもう既に彼女に相当出資している!まだまだ彼女は私の出資した金額を回収するには程遠い働きしかしておらん!そんな彼女を私が手放すと思うかね?」

「・・・・・・・」

「君のような青二才が偉そうな美辞麗句をどれほど並べた所で現実は何も変わらんぞ!」

「払います・・・・・」

「うん?聞こえんかった、もう一度言ってくれ」

「払います!」

「払う?何を?」

「僕が一生掛けてママに費やした金を全部払います!」

「は!?」

「僕が全部返します!だからお願いします!ママを・・・・ママを解放してやってください!お願いします!」

「本当に君って男はおめでたい奴だね!私がそれを聞いてハイよろしく!とでも言うと思うかね?」

「思いません!しかし・・・しかし僕にはそれぐらいしか思いつきません!なんとか!何とかお願いします!」

「こりゃ病気だ!あのね、あんまりこの業界で生きている人をなめちゃいけないよ!」

「なめてなんかおりません!しかしこれしか思いつかないんです!お願いします!どうか・・・どうか分ってください!」

「私は慈善事業をやっているのではない!そんな話は市井の人間相手にやってくれ!この業界ではどんな事も現金取引だ!そこの所は肝に銘じろ!君はそんな人間を相手にしているんだぞ!もっと真剣になれ!」

「でも・・・・真剣です!本当です!真剣なんです!」

「それより仮に私が君の申し入れに首を縦に振っても当の彼女はそれで本当に喜ぶかね?」

「えっ?」

「なんか君の話は全て彼女もそれを望んでいることが前提の話なんだが君の意思は彼女に伝わっているのか?」

「そ・それは・・・・・」

「なんだ?どうした?」

「いや・・・・まだはっきりとは・・・・」

「なんだこりゃ?ひょっとするとお前の独り相撲か?」

「そんな事は絶対無い!ママも・・・・ママもそれを望んでいるはず・・・・」

「なんか頼りない話だな、ふふ!ひょっとするとお前は彼女に騙されているかも知れんぞ?」

「それはありません!絶対そんな事は無いです!」

「本当にそうか?怪しいぞ!なんせ彼女は銀座で働く夜の女なんだぞ!そんな女の戯言を信じちゃって良いのか?」

「僕も一応営業マンのはしくれです!人の心を読むのが仕事です!自分の直感を信じます!ママは嘘をついては居りません!」

「なんだ?彼女とはもうそんな仲になっているのか?」

「えっ?い・いや!そんな意味じゃ!」

「ふふふ!まー良い!私は最初にも言っているが自分の店の事は隅から隅まで何でも知っている!つまらん隠し事はせんで良い!」

「・・・・・・・」

「まー実を言うとこの件については私も困っていたのだ!」

「はい?」

「どうも彼女は本当に君の事を男として意識しているみたいなんだよ!」

「えっ!」

「これは私にとっては本当に困った問題なのだ!契約違反なのだ!」

「どう言う事・・・・・」

「夜の女に特定の男の影が客に知れたら客はしらける!それが店の顔であるママがそうなってしまえば致命的だ!」

「・・・・・・」

「銀座を生き抜くということは恋愛など御法度だ!しかし多くの女達はどうしてもその誘惑に負けて銀座を後にしていく」

「・・・・・・」

「銀座に集まる男達はそれなりの男が集まってくる、恋愛経験豊富な男達ばかりでおまけに金も持っている、そんな男共に次も金を落とさせるには役者以上の演技を求められる、しかし本当に好きな男が出来た場合女と言う生き物はどれだけ最高の演技をもってしても直ぐばれてしまうのだ!」

「・・・・・・」

「こうなってはどんな女であろうと限界は近い!ましてやそれが店を任されているママとあっては致命的なのだ!これは私に対して彼女の契約違反の何者でもない!背任行為だ!」

「そ・それでどうしようと?」

「さすがの私でも感情までコントロールするのは難しい、金を使えば出来なくは無いがせっかく金を回収する目的で出資してきたのにこれ以上彼女に使うのは何をやっているのか意味が分らん!」

「それで・・・・・・」

「そこでだ!実を言うと君にここへ来てもらったのは私にとっても好都合だったのだ!」

「えっ?」

「私は彼女に見切りを付けようと思うのだ!」

「えっ?見切り?ですか?」

「そうだ!見切りだ!」

「ではお店は?」

「店は存続させる!彼女にはもちろん辞めてもらう!代わりは他にも居る!このまま彼女で続けて行くよりよっぽど良い!これ以上損失を出してしまっては取りかえせんようになる!」

「それは僕にも責任が有るということですよね?」

「確かに私にとっては君の存在は目の上のたんこぶだ!しかしそれは君に責任は無い!店に来る客は君と同様ある程度はホステス達に同じ思いを抱いているしそれがなければ店は潰れてしまう!」

「・・・・・・・」

「重要なのは彼女がもうそういう感情を抱いてしまったと言う事だ、そこで君に相談だが・・・・」

「はい?」

「彼女を買ってくれんか?」

「は?!」

「彼女を買って欲しいといっているんだ!」

「は!?ママを・・・・ママを買えって???」





つづく



名前

内容

はいむるぶし にゃ〜ごっち と言う訳で我が愛しのアイドルにゃ〜ごっちはこれからも私宛にコメントヨロピク!^^これこそごり押し!^^ (09/10/24 18:32)
はいむるぶし 告発者っち いーーーや!幻想ではない!にゃ〜ごっちは私の永遠のアイドルである事は疑いの余地は無い! (09/10/24 18:31)
告発者 年老いたファンの為に日記再開したら・・・アイドルさん(≡゚∀゚≡) (09/10/20 23:09)
にゃ〜ご 私は元気に不細工ですよ〜♪いぃイメージ持ってくれてるんですにゃwありがとう^^ (09/10/20 18:49)
告発者 ダンナその永遠のアイドルは幻想だぜ( ̄ー ̄)  (09/10/19 18:53)
はいむるぶし 告発者っち 私ぐらいになると顔を見ずとも文面から分るのだ!おぬしもまだまだ若い!^^ (09/10/19 15:04)
告発者 顔を見てから言え^^ (09/10/19 02:48)
はいむるぶし おぉ〜〜〜〜!にゃ〜ごっち!おひさ!どうですか?元気にしておりますか?由良っちがいなくなってにゃ〜ご節が聞けないから寂しかったぞ!もっとコメントくださいな!・・・・何を言っておるのだ!私にとってはにゃ〜ごっちは永遠のアイドルだぜ!^^ (09/10/18 23:30)
にゃ〜ご それくらいいぃ女になってみたぃもんですにゃw (09/10/18 23:14)
はいむるぶし ビタミンFさん 初めてのコメント本当に有難うございます!そうですか!ワクワクしてくれますか!嬉しいですね!描き甲斐があります!そうなんです!私の友人の話なんです!細かい部分では私の想像も入り込んでおりますが大筋でノンフィクションであります!これからもよろしくお願い致します!^^ (09/10/18 23:01)
はいむるぶし ここへさん 銀座のホステスが男の影を背負っちゃあきまへんがな〜!そりゃ詐欺でっせ〜!って言うか銀座そのものが詐欺ですね!^^ (09/10/18 22:58)
はいむるぶし まりあさん いえいえ、まだもうちょっと続きますよ!今後も期待を裏切らない驚きと感動の超大作を乞うご期待!^^えっ?そこまでじゃない?すみません!言い過ぎました!^^ (09/10/18 22:55)
ビタミンF 毎回、読ませて頂いています。ワクワクさせてもらってます。え!これはノンフィクションだったんですか? (09/10/18 22:30)
ここへ ひさしぶりで随分まじめな話になってますね。ママがお客に恋愛感情を持ったぐらいで経営に支障がでるのでしょうか?これはノンフィクションですよね?社長はママを1億で買えというのかな? (09/10/18 21:11)
まりあ 飼うってどうなるんでしょう。。。いよいよラストですね(*^_^*) (09/10/18 20:54)


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