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爺放談


 ■ 2009/10/24 (土) 愛と青春の旅立ち・・・・・23


彼はその日から仕事と金策に明け暮れました。

もともと彼が持っていた貯金、もちろん彼にそんな大金を持ち合わせている訳も無く、当然ながらこの様な理由からは銀行も貸してくれる訳ありません。

結局彼が出来る金策と言えば、両親と友人、そして会社の貸付制度、その他はあらゆる金融機関へと行き着くのでした・・・・・

もちろんこの相談はこの筆者である私にも当然舞い込んできたのでした。


「おい!マジか?しばらく何の相談も無いと思っていたらなんか凄い事になってねーか?」

「そうなんだ・・・・そう言った訳でどうしても5千万用意しなきゃならないんだ!」

「おいおい!そんな事マジでするつもりかよ!いくら好きだからってこれは行きすぎだろ?」

「現実を考えると俺もこれは行きすぎだと思う、でも、もう後戻りできねーよ!今の俺じゃもうママ無しでは考えれねーよ!」

「お前少し本当に冷静になれよ!それよりこの事を当の本人のママは知っているのか?」

「いや!知らないと思う・・・・」

「なんだ?それじゃママの知らない所でこんな騒動になっているってか?」

「うん・・・多分・・・・あの男が言わない限りママは知らないと思うし、あの男はそんな事をペラペラ言うタイプではないと思うからこの先も知らないと思う・・・」

「じゃー当然の疑問として聞くが、その男はその金で本当にもうママに付きまとわないと言う確証があるのか?それとその金を払って本当にママがお前の物になると言う確証は?」

「・・・・実は・・・・両方とも確証は無い・・・・」

「お・お前・・・そんな曖昧な事で・・・・・」

「分ってる!そんな事はお前に言われなくても自分が一番良くわかってるよ!でもどうしようもねーんだ!今の俺はこうする以外どうしようもねーんだ!」

「騙されているかも知れねーぞ?それでも本当にいいのか?ヤクザの言う事をいちいち真に受けて、その男が言っている事全てが嘘かもしれんしママのこれまでお前に対して取ってきた姿勢も全て演技かもしれないんだぞ?それでも本当にいいのか?」

「そうかも知れん!そうかも知れんが惚れた俺が悪いんだ!どんな事を言われても惚れている事は間違いない!だから騙されていたとしてももう俺にはこれしか出来る事は無いんだ!」

「その代償が5千万では洒落にならん額だぞ!」

「そうかも知れん、でもこれが本当で、もしこれを揃える事が出来てママが自由のなって何のわだかまりも無くママと一緒に居れる事が出来たなら、俺は、俺は絶対後悔しないと思うし、それよりも俺が今これをしないでママを諦めたらもっと、この先もずっと後悔すると思う・・・・」

「たかだか女一人のことじゃねーか?今諦めてもいずれ違う女に惚れてこれまでの事は忘れちまうよ!そうなった時、今やめといて良かったって絶対思うぞ!」

「その可能性は否定せんが今の俺では考えれん・・・・」

「悪い事はいわん!絶対止めとけって!こんなばかばかしい事!」

「・・・・・・・・」

「な?違う女へ行こう!そういやお前に惚れているP子ちゃんって居るじゃねーか!とりあえずその子で良いじゃんか!あの娘だってエロいし相当可愛いぞ!」

「いや・・・・」

「何贅沢言ってんだ!あの娘だってお前には勿体ねーぐらいだ!贅沢こいてんじゃねーぞ!」

「だめだ!やっぱりダメなんだ!他の女の事なんて考えれねー!何を言われてももうやるしかねーんだ!」

「病気だ・・・・・コリャ本当に病気だ!でもそんな事を言ってももう仕様がねーな!」

「そうなんだ!もう俺は病気なんだ!だからもう諦めてくれ!」

「分った!もう何も言わん!病人に何言ったってしょうがねー!でもこれは言っとくぞ!もし結果的にどうなっても自分でしたことなんだから誰の責任でもない自分の責任なんだからな?」

「分ってる!」

「本当か?本当に分っているか?」

「分ってるって!」

「もしこれが全て騙された事であっても誰も恨んじゃいけないぞ!例えそれが騙した本人であるあの男も、そして・・・・・」

「分ってるって!それが例えママであってもって言いたいんだろ?」

「そうだ!その通りだ!」

「分ってるよ・・・・・それはあまり考えたくないことだが分ってるって・・・・」

「そうか!それなら良い!この事は全てお前が始めた事なんだからな!」

「・・・・・・」

「それで今日は俺に何か言いたいんだろ?こんな話をしたいんじゃねーだろ?」

「そ・・・そうなんだが・・・・」

「言っとくけど俺はそんな金持ちじゃねーぞ!それを踏まえて言えよ!」

「分ってるよ!出来ればで良いんだ!出来ればで・・・・・」

「幾らだよ?」

「お前のできる範囲で。」

「じゃ2千円な!^^」

「そ・そこをなんとか!なにとぞ何とか!」

「本当に洒落になんねーよ!何で俺がそんな事に協力しなきゃなんねーんだ?俺に何にも良い事ねーじゃんか!それよりどうせ騙されると分っている事になんで大金を貸さなきゃなんねーんだ?どう考えてもおかしいだろ?」

「い・いや!そう考えてしまったら話は終わっちゃうよ!何事も前向きに!」

「分った!じゃー前向きに考えてどうやって返すんだ?」

「あ・そ・それは!俺ももう直ぐこの先重要なポストに着くし、昇給もするし、そしたらボーナスも上がるし・・・・・」

「確かにお前の所は給料良いもんな!でもその話じゃ返すのに相当時間が居る話だな!」

「いや!そんな事は無い!あっという間だよ!年月なんてあっという間!」

「お前それは貸す方が判断する事でしょ!本当になんでこんな友人を持ってしまったかな〜!それが俺の敗因だな・・・」

「ま〜ま〜これも何かの縁!何事も良い方向で考えましょうよ!^^」

「それもこっちが考えること!お前が言うんじゃね〜!」


結局、私も彼にお金を貸すハメとなりました。

しかし、私などの貸した金額では目標金額に達するには程遠いものでしょう。

彼はその後も金策に明け暮れ、細かい部分は聞けませんでしたが当然消費者金融にも手を出した事と思います。

そして、約束の一ヶ月ももうそろそろと言う時、彼は久しぶりにママの店へ足を運ぶのでした・・・・・・


「いらっしゃいませ〜!」

「お久しぶりです!」

「ま〜どうなされていたのですか?少し心配していたのですよ!何か有ったのですか?」


彼は久しぶりに会うママを見て、なんか少し後ろめたい気持ちを持ちながらもママのエスコートでテーブルへと歩んでいきました。


「お仕事!お忙しかったのでしょうね?お会い出来なくて寂しかったですわ・・・」

「いえ!仕事の方は何時もとそれほど変わりありません・・・・」


ママは男の話は全く触れようとせず、他愛の無い話を続けて時にはお酒を作ったり灰皿を変える指示を出したりで、その場の雰囲気は何か不自然なものとなっておりました。


「そろそろ私、他の席へ参りますね、今日はどうぞごゆっくりして行って下さい。」

「はい!そのつもりで来ました!」

「フフ!ではごゆっくり・・・」

「ママ!」

「ハイ!」

「ママ!今日は無理を承知で伺いますが、今日はアフターお付き合い願いませんか?」

「えっ?」

「どうしてもママにお話があるのです!ですから・・・・・」

「分りました!・・・・では前に落ち合ったあのお店で・・・・」

「あ・ありがとう・・・・」


そうしてママは別のテーブルに向かい、ママの代わりにやはりP子ちゃんが着きました。


「よ〜〜〜〜し!やっと会えた〜〜〜〜!」

「・・・・・・・」

「何よ!もう!せっかく会えたのに〜〜〜!なに〜〜〜このリアクション!」

「あ・ごめんごめん!」

「ハイハイ!どうせあたしゃ××様の眼中になんか居ませんよね!プンプン!」

「ごめんなさい!そんな事は無いんだけど今日はちょっと・・・・」

「はは〜〜〜ん!なんかあったな〜!どうせママがらみの事なんだろうけど!」

「い・いや!仕事だよ仕事!」

「良いよ!どうせ何を聞いたってあたしに関係が無い事は明らかなんだから!」

「そ・それは・・・・・そうだけど・・・・」

「それにしても・・・・・」

「それにしても?」

「それにしても××様に会うといつも思うんだよね・・・・」

「なにを?」

「私ってそんなに魅力ないかな〜?」

「そ・そんな事無いよ!P子ちゃんは思いっきり魅力的だよ!そんな事当たり前じゃん!」

「これでも私を指名してくれるお客様もケッコウ居るんだよね!それにあたしってケッコウきわどい衣装じゃない?指名客じゃなくてもあたしが横に着くとケッコウ喜んでくれるお客様も多いのよ!」

「そ・そう思うよ!」

「でも××様ってあたしの衣装なんか全然目に入ってないでしょ?分る?この衣装?こんな衣装着た女性が横に座ったら普通胸元に目が行くでしょ?どうなの?」

「そ・そりゃそうだよ!だから目のやり場に困るよ!」

「うそ!うそうそ!全然気にしちゃいないでしょ!ほら!こうやってちょっと前に屈むだけでビーチク!見えそうなんだよ!」

「ば・ばか!だからってやることねーだろ!」

「えっ?見えた!あたしのビーチク!^^」

「ばか!見てねーよ!何時まで屈んでんだよ!早く戻せよ!」

「なによ〜〜〜!せっかくサービスしてんのに見ないの〜!こんなサービス他の人には頼まれたって絶対しないのに〜!もったいない〜!」

「分ったから!もういいだろ!」

「これなんだよな〜!だからなんか傷つくんだよな!なんで××様にはあたしの魅力に気付かないんだろう?ね〜〜〜なんで〜〜〜〜!」

「しらねーよ!」

「ぶぅぅぅぅぅ!」


何時もの如くのP子ちゃんの明るさのおかげで、彼はこれまでの事を忘れる事が出来た事と何時ものテンションを取り戻し、本当にいつもP子ちゃんの天然な?気遣いに癒されている事を感謝するのでした。


「ところで××様!もうあの男に会ったの?」

「えっ?」

「だって××様ってじっとしているタイプじゃないもん!どうせもうなんかしらのアクションはしているんでしょ?」

「う・・・・・うん」

「やっぱりね!そんな事でしょ!今日はそれを言いにママに会いに来たんでしょ?」

「うん・・・・・・そうなんだが・・・・・」

「ま〜!なんか訳ありよね!まっいいや!これ以上は深追いやめよ!聞くと不愉快になっちゃうもんね!」

「それもそうだね!聞かない方が良いよ!」

「あ〜〜〜〜〜!そんな言われ方したら聞きたくなっちゃうじゃ〜ん!もう〜〜〜!ね〜!何が有ったの?????」

「P子ちゃんには関係ないよ!」

「あ!なんかムカつく〜!その言い方〜!言っとくけどあたしのおかげで男の居場所が分ったんですからね!そこんとこ分ってんの?」

「そ・そうだよね!ごめん!関係無いって言い方は悪いよね!ごめん!」

「わっかればよろし〜!・・・・・それで何が有ったの?」

「い・いや・・・・大した事無いよ!」

「大した事無いんだったら言っても良いじゃん!ね〜ね〜!何が有ったのさ?」

「ほんの少し・・・・」

「ほんの少し?」

「ほんの少し金が要るんだ・・・・」

「お金が?」

「そう・・・・・」

「それでそのお金は有るの?」

「・・・・・・・」

「大丈夫なの?・・・・・・・お金・・・・・」

「まー!何とかなるよ!もうじたばたしたって仕様が無いし!成る様になるよ!」

「そうなの・・・・・・・幾らか分んないけど・・・・・・あたしが何とかしようか?」

「えっ?」

「あっ!ごめんなさい!偉そうな事言っちゃって!本当にごめんなさい!・・・でも・・・・あたしで出来るなら、お金!なんとか出来るかも・・・・」

「な・・何を言ってんの!そんな事・・・・それこそP子ちゃんには関係が無い事だよ!」

「ううん!そんな事無い!関係はあるよ!」

「なんの?」

「だって・・・・」

「だって?」

「だってあたし・・・・・・××様のこと・・・愛してるもん!」




つづく





名前

内容

はいむるぶし 皆様、これまで本当に有難うございました!心より感謝しております!私の一方的な我侭をどうぞお許し下さい!それでは・・・・・ (09/10/26 15:47)
腐敗官僚 爺放談っというか・・・妄想じゃねw (09/10/25 18:02)
まりあ はいむるぶしさん、お金貸しちゃったの?…お人好しなんだから^^ この主人公さんは現在どんな殿方になっておられるのかしら?許可を取ってからその辺も書いてね^^ (09/10/25 16:58)
告発者 またネタ切れで打ち切りになるかと思ったm9(・∀・) (09/10/24 23:43)
名無し P子ちゃんキターーー!ビーチクもキターーー!。金を渡すか?P子ちゃんの愛を受け取るか?さあ、どっちだ。 (09/10/24 23:40)
ここへ 友人もP子ちゃんも恋は盲目というやつなんでしょう。最後はどうなるのかな。楽しみにしています。 (09/10/24 21:30)


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