日記HOME TOP タイトル一覧 月別 

爺放談


 ■ 2014/06/29 (日) JRAに捧ぐ


競馬をこよなく愛する人はたくさん居る。

以前は私もそのうちの一人だった。

特に重賞レース(G1)は胸をときめかせたものだ。

1983年の天皇賞(春)このレースで優勝した「アンバーシャダイ」は今も記憶に鮮烈に残っている。

その次に印象深かった1991年春 弥生賞で後方からの追い込みで見事な優勝を果たした「イブキマイカグラ」

先行逃げ切りで圧倒的な強さを誇った「ミホノブルボン」スティーブマックイーンが好きな馬主が放った嵐山ステークスで鮮烈な強さを見せつけた「メジロマックイーン」
関東馬優勢の時代に終止符を打った白い稲妻「タマモクロス」・・・

上げだせばきりがないのでここらで止めるが、競馬という物は歴史が深く、これに魅了された人々はかなり辛酸をなめている事だろう。

競馬ファンを称する人達はどこにでもいるが面白いのはそれぞれが個々に予想スタイルが違う点だ。

しかしこの予想スタイルは大きく分けて2種類がある。

馬の実力を重視するスタイルと八百長とするスタイルである。

私が競馬に熱を上げていたときの予想スタイルは後者の「八百長」であった。

競馬ファンの多くは「実力」重視が多数であろうが私は違った。

なぜなら「八百長」という根拠を示す事柄を複数見出したためだ。

競馬という物は基本「馬主」という競走馬の持ち主の意向が優先される。

「馬主」には2通りのタイプが居る。

「名誉」を重んじるタイプと「実」を重んじるタイプだ。

「名誉」を重んじるタイプの馬主は「必勝」を目指すタイプで「実」を重んじるタイプは「入賞」を目指す。

この2者は似て非なる物で、この2者が所有する馬が同じレースを走った場合レースの仕方が変わってくる。

名誉馬主は騎手にトップを目指さすのに対し実馬主は5着以内を目指せと支持する。

これの意味は実馬主はそのほとんどが「競走馬の寿命」を第一に考えるからだ。

一着を目指す事は往々にして馬に無理をさせ、競走馬としての寿命も短命に終わる場合が多い。

ましてや骨折などの事故にあった場合、その馬の生命は一瞬にして終わってしまう。

競馬を良く知らない人はビッグレースを勝った馬は引退後の種馬としての収益を言う人がいるがこれは本当に稀に見る事で、ほとんどの馬達は引退後は只の種馬となるか余生を牧場で過ごすか馬肉となるかである。

結局は競走馬としての収益はそのほとんどがその馬自身がレースで稼ぎ出すしかない。

であるから当然のことながら長生きをする、いわゆる競走馬としての寿命を最大限引き延ばすことが収益の鍵を握る。

昔「ランニングフリー」と言う名馬が居た。

この馬は実馬主にとっては理想的な競走馬だった。

オープン馬(重賞レース出走資格を有する)であるが大きな勝利は無く、しかし5着入賞が多数あり、9歳まで走り続けた名馬だ。

多くのオープン馬は引退が5〜6歳に対して9歳まで走り続け、しかも5着入賞多数はかなりの収益を稼ぎ出したのだから実馬主にとってはこれほど理想な馬はいないだろう。

だから当時この馬が出てくるレースでは、競馬を良く知っていてしかも予想スタンスが八百長と信じている人はこの馬をいの一番に捨てる事が出来る。

それはそうだろう、何せこの馬は5着入賞を狙っていて更に言うならせっかく一着を狙える位置に居ながらわざと手綱を引いて降着をする事が多々あった。

これはもう立派な「八百長」で、馬の実力を信じて馬券を買っている競馬ファンにはある意味裏切り行為に当たるだろう。

しかしこの裏切り行為は競馬界にはむしろ当たり前の行為で、現実的に名誉を欲する馬主より実を取る馬主の方が多い。

であるから必然的にこの行為は横行する。

この事以外でも競馬が八百長とする根拠はたくさんある。

馬の調教をする厩舎が閉鎖に追い込まれた事例が無いとか競走馬生産牧場の閉鎖も無い。

もちろんこれはJRAが特に関係している事が大前提で地方競馬においてはその限りではないがこの事を見ても不自然である。

騎手育成についても不自然な事が多く、特に際立っている事は「武豊」である。

いくら父親の威光と技術を受けづいているとはいえこの様な身長の高い騎手があの激戦を勝ち抜いていくなんて奇跡を通り越して神の域である。

武豊が登場した時の競馬界は収益が頭打ちでそれどころか下がっていた。

これまで競馬は男の娯楽でほとんどの女性は興味が無かった。

そこでJRAはこの女性層にターゲットを当てたのだ、これまでの競馬と言う娯楽に「清潔感」「スター性」「スター馬」を作っていったのだ。

競馬場のリニューアル、武豊というスター、オグリキャップというスター馬、そしてTVCMの活用とでJRAの思惑は予想以上の成果を上げて行ったのだ。


この八百長疑惑は何も日本が最初ではない。

競馬という物は本来ヨーロッパの王室や貴族の物でその中で興じてきたものだ。

であるから現在でもこの催しは格式が高く、特に重賞レースはヨーロッパ以外の国々が参加することも難易度が高くましてやそこで勝つことなど有りえない事なのだ。

特に特に「凱旋門賞」「英国ダービー」「ケンタッキーダービー」は世界最高峰でここで勝つことなどありえないだろう。

記憶に新しい「ディープインパクト」「エルコンドルパサー」「オルフェーブル」が負けたことは必然だったのだ。

八百長は何にでもある。

「競輪」「競艇」も当たり前にあるし世の中の勝負ごとに八百長が入り込まない物など無い。

一番やりにくいと言われている「野球」でもある。

しかしそういう見方は面白くない。

やはりなんでもそうだが「ロマン」という物を持ってみる事が一番楽しめ、一番熱くもなれる。


しかし熱くなれるが競馬の様な「博打」にはほどほどに・・・・・














名前

内容

はいむるぶし まりあっち 逆でっせ〜〜!自衛官を守るためには法改正が必要でっせい〜〜!今のままじゃ何か有事の際でも無抵抗で死ぬしかありませんで〜!専守防衛はある意味誰かが人柱にならなければ抵抗できないのでっせ〜! (14/07/03 19:57)
はいむるぶし 関東方面隊さん そうでっせ〜!テラ銭はすごいでっせ〜!私もヤバいぐらいテラ銭持っていかれましたで〜〜!とほほ・・・ (14/07/03 19:53)
まりあ 集団的自衛権が始まりました(/_;) 知っている自衛官の方が亡くなるのが怖いです。。 (14/07/02 22:51)
関東方面隊 なるほど と頷くしかありません 安部譲二が よく中央競馬会のテラ銭は ヤクザよりヒドイと書いてましたね〜 (14/06/29 23:32)


 ■ 2014/06/23 (月) 悪人の戯言


「セッションズ」と言う映画を見た。

この作品の大まかなあらすじは、幼少の時ポリオを患い、一命は取り留めたが脳性麻痺から首から下のほとんどが麻痺状態になった男の生涯を描いたストーリーだ。

特に重度障害を持つ人々が抱える「性」の問題をクローズアップしている点とそれに伴う宗教的思考を織り交ぜた作品となっている。

私自身は「障害者」を扱った映画はほとんどにおいて観ないのだが嫁のたっての希望により観てしまった。

で・・・観た感想はというと

やはり終始くだらない映画だった。

私の理念である「映画」としての「扱ってはいけない題材」という物がある。

それは「動物」「子供」「障害者」だ。

この三つの題材は得てして「可哀そう」と言う感情をどれだけくすぐるかを基本としている事が大半で、更に言うならこの題材に対して否定的な感情を持つ事は「非人間的」「反モラル」と言う様な無言の圧力さえ感じざるを得ない内容になりがちだからだ。

また、この中でも特に「障害者」はこの傾向が強く、同調圧力すら感じる内容で、更に思うのは障害者は「善」という大前提の作品が多く、これが私のような悪人にはなじむ事が出来ない最大の理由だろう。


私の歪んだモラル感で考えるこれらの事柄、特に「障害者」には私なりの熟考がある。

「障害者と健常者はあいまみえない」という物だ。

この結論に至ったのはこれまでの私の経験によるものだが、おそらくこれは当たっていると私は思う。

もちろんこれは突き詰めた人間感情であり、またこの感情は「親子関係」などの様な「利他主義」には当てはまらない。

いわゆる「社会性」というパブリックな中での関係性だ。

であるから私の様な悪人にはこの手の映画やドラマ、それ以外でも「障害者」を主としたイベント関連のの物も全てに「偽善」という観念が頭をよぎってしまうのだ。

特に偽善の最大イベントである「パラリンピック」などは私の観念からはこれほど障害者たちを馬鹿にし見せ物としているイベントはないだろうと思っている。

そもそもこのパラリンピックなる催しはいったい何の趣旨が有るのだろうか?

障害者でもこれぐらいの運動能力がある事を知る事で健常者と変わらない!と言う事を訴えているのか?

それとも健常者と違った動きの中でもまともにスポーツを取り組める事を訴えたいのか?

はたまた体が不自由でも一生懸命なこの姿を見て健常者のみなさんに感動を覚えてほしいということか?

ひょっとしたらこのイベントは同じ障害を持つ人たちを励ますためのイベントなのか?

ま〜どの理由であろうとこんなふざけた催しは早くやめた方がいいと私は思う。

これほど偽善に満ち満ちたイベントは他にないだろう。

なぜならこのパラリンピックに出場できる障害者達は障害者全体の何%の人達だ?

障害者達のそのほとんどは運動という次元を超えた人達もたくさん存在する。

健常者の催す「オリンピック」は健常者全ての人に出場できる可能性はある。

しかしパラリンピックはその可能性は少しの限られた人達にしか無い。

障害者達の、しかもほんの限られた人達だけの物なのだ。

この様な催しになんの意味や趣旨があるというのだ?

特に重度の知的障害を持つ子供たちのそのご両親らはこのパラリンピックなる催しをどう見ているのだろうか?

人は神様にはなれない、どうしても何とも仕様のない事がある。

平等や公平公正などは人々の幻想であって現実社会にはそぐわない。

しかしだからと言って平等や公平公正を著しく乱すような行為をする必要も無い。

パラリンピックは考えようによっては相当これを乱している行為ともとれる。

これほど平等性や公平性に欠いた催しがあるだろうか?

限られた条件の者しか出場できず、しかも周りの人間たちの協力が大前提のこの催し・・・

その者達が織りなす美談美技に感動と共感をと言う前に、この催しに参加どころか日々の生活に追われて食事すら。会話すら出来る事の無い障害者達の気持ち、それに関わる両親達や家族、友人達はどう思うだろうか?

彼等の中には不公平感や自分自身へのやるせない感情を更に深く植え付ける人達だって少なからずいると思う。

オリンピックを目指す目指さないは健常者たちは自由であるが彼等は違う。

自業自得でそうなっていない、パラリンピックはある意味「選民主義」なのだ。

こんなものを御大層に「善」と言う位置づけで見ている人達は傲慢で「脳みそお花畑」としか言いようがないと思う。

障害者については私は思う。

もし、本当に障害者達の平等性や公平性を思うなら健常者との交流を隔絶すべきだと思う。

人間は本当にはどのような者の立場にも絶対に成れない。

思いやりや善なる行為はその全てが「自己満足」に過ぎないのだ。

昔、お祭り等でよく見かけた「見せ物小屋」

この「見せ物小屋」では中で障害者達が健常者たちの前で芸をし、それで彼等の生業として生活をしていた。

彼等は不自由な体を駆使して体得した芸を披露するのだ。

健常者たちはそれを見て驚嘆しお金を払う。

この両者の間には何の罪悪感も無い、当時はそれが当たり前で見る方も見られる方もそこに違和感など無かった。

しかしこれは道徳的によろしくないと何時からか姿を消した・・・

しかし私にはこの当時の方がより人間的で、障害者達にも今よりは住みやすい環境だったと思う。

何故ならそこには「偽善」と言う要素が入り込む余地のない世界だからだ。

人は「情け」を掛けられることが実は生きにくい。

「情け」とは「劣っている」という証明の様な物だからだ。

どの様な状況下にあろうと人はプライドを捨てきれない。

それが人間である証と言っても過言ではない。

それが何に対しても「情け」という物を掛けられればどうだろうか?

そんな状況は「劣っている」という烙印を常に突きつけられている事と同義である。

そう考えた時「見せ物小屋」は障害者達にとっては本当の「対等」なのだ。

優しさは事によってはものすごく残酷な物とも化す。

人を人扱いしていない事ともなる。

パラリンピックは疑似的な対等と言うお祭りに過ぎない。

本当に対等を言うならオリンピックに障害者だろうが何だろうがエントリーすればいいのだ。

お情けたっぷりでしかも選民主義のこんな催しは何の意味がある?

私ならどうせやるなら全障害者を対象に大掛かりな「見せ物小屋」をやる。

ここに「可哀そう」や「悲壮感」など入り込む余地なく「嘲笑」や「野次」「驚嘆」「罵声」「感動」などがあって初めて「対等」であり、障害者全てに本当の「達成感」や「感動」があり、人としての本当の尊厳が有るのだと思う。

今の世ではこの考えは絶対的に無理で、それどころか「悪者」とされるだろう。

ゆえに私は「悪人」であり歪んだ思考を持つ男だ。

だから「動物」「子供」「障害者」を扱う映画は私には何の感動も与えなければ何の感慨も無い。

パラリンピックは人類史上最も愚かな行為で、そもそも健常者と障害者はあいまみえない。


もしこの両者の公共性や社会性を本当に思うなら健常者と障害者を隔離するべきである。















名前

内容

はいむるぶし 関東方面隊さん それはそれは・・・フフフ! (14/07/03 19:58)
関東方面隊 すでに悪人でござります・・・フフフf (14/06/30 09:39)
はいむるぶし 関東方面隊さん お〜〜〜!お初です!ミゼットプロレス!ありましたな〜〜!そうですか!私と意を共にして頂けるのですか!と言う事は・・・おぬしも「悪人」の仲間入りですぞ!^^ (14/06/29 22:15)
はいむるぶし まりあっち 私の性処理ボランティアはまりあっちが担当してくれますよね!わたし・・・これが生きがいで今を生きております・・・・!^^ (14/06/29 22:13)
はいむるぶし 腐敗官僚さん 本当に色々な事を知っていますな〜〜〜感心します!ところで腐敗官僚さんの腐敗の程度はどこまで進みました?もうそろそろ国内初のゾンビ誕生ですか?^^ (14/06/29 22:11)
関東方面隊 始めてレスいたします ボクの少年時代には見世物小屋は もう無くて チョット上の世代から話しを聞いた位ですが テレビではミゼットプロレスをヤッテいました いつの間にか放映もミゼットプロレス自体の興業もなくなってしまいました…ミゼットプロレスを見世物小屋に置き換えさせて読ませて頂きますと まさに我が意を得たりとの気がいたします あっミゼットプロレスラーは興業がなくなり 随分困窮したみたいですね 女子プロレスの下働きでしのいだみたいですが 女子プロも分裂が進み 今はドーしているんだか… (14/06/25 03:20)
まりあ 人を区分けして隔離し続けると最後は一人になって孤独になりそうね(;_;) 様々な方がたくさんいるから人繋がりや幸せを感じられるのかも、、、、、「セッションズ」はまだ見ていないですが、国外で性処理ボランティアさんの活動を見学したことがあります。不満、イライラ、寝つきが悪くなる方などへのボランティア。セッ スやブロー ョブのような行為はまったくありませんでしたよ(^_^;) 法律改正により、今後日本でも始まるのではないでしょうか? (14/06/24 09:00)
腐敗官僚 人類最速のウサイン・ボルト選手は生まれつき脊椎側湾症を患っていたけど、独自の走法を編み出したから世界一となれた。勿論、それは多くの協力者があったからなされた事だ。そうやって技術開発された事はあらゆる分野にフィードバックされ、我々の生活に反映されている。 (14/06/24 00:48)
腐敗官僚 パラリンピックはビジネスの側面がある。パラリンピックで使用されるパスケット競技用車椅子をみた事があるけど、自家用車1台分の製作コストが掛かってる。義手や義足に関しても全て最先端の開発の上に製作されている。 もし、俺がコスト度外視で100m走競技用の障害者用装具の開発を命じられたら…ジェット推進で音速の壁を破るパワードスーツを制作してやる。 (14/06/24 00:39)
はいむるぶし 記入なしさん 何が楽しいのですか?多くの人に見てもらえるからですか?それなら私は別にそれを欲してませんが・・・ (14/06/23 19:01)
記入なし どうだろう?それ程までに秘めた思いがあるのなら、試しにamazonのレビューにでも映画の批評やらを載せてみたらいい。そっちの方が楽しくなるぜ。健常者も障害者もないからな。 (14/06/23 18:42)


 ■ 2014/06/21 (土) 熱風よさらば


「風立ちぬ」を見た。

この作品は色々と世間を騒がせたが実際見てみるとなぜこの様に騒がれたかまったく分からない。

たばこのシーンでもそれほどの違和感はない、右翼的思想もこの作品からは全く伺えなかった。

ま〜良しにつけ悪しにつけ宮崎アニメは話題性が高いという事なのだろう。

で・・・見た感想だが、面白いか面白くないかと問われれば普通に見れる映画としか印象はなかった。

これは恋愛映画なのかただの伝記的映画なのかそれとも宮崎アニメ特有の何かわけのわからない警鐘的映画なのか回顧的映画なのか・・・

要するに何かテーマがぼやけた映画と言う印象であった。

内容もたいして目を見張る所も無く、作品自体が全体的に分かり易い想像通りの流れに沿った内容だけに淡々と過ぎていくという印象でしかなかった。

もう幾度と「引退」を叫んでいるだけに、もう過去の様な情熱や作品に対しての思い入れも限界が来ているのだろう。

私自身としては宮崎アニメにたいして過去からそれほどの思い入れはないし作品そのものも世間を騒がせるほどの作品はこれといって思い浮かばない。

敢えて上げるなら「カリオストロの城」「ナウシカ」「ラピュタ」ぐらいだろうか・・

しかし「カリオストロ」は純粋に宮崎アニメではない。

また、「ナウシカ」と「ラピュタ」は内容よりもキャラクターデザインが優れている点で上げているが内容としては面白いが世間を騒がせるほどではないと思っている。

私は以前「スタジオジブリ」と仕事の関係でお付き合いがあった。

その時に聞いた話だが「ナウシカ」の製作に携わったデザイナー、当時彼はまだ駆け出しのデザイナーだったがその彼の描くキャラクターが非凡で、宮崎は当然その彼の才能に惚れ込み「ナウシカ」の制作に彼のデザインを多く取り込んだ。

月刊アニメージュに連載から好評を博し映画化となったこの作品は内容よりもむしろキャラクターデザインが目を見張るものがあり宮崎よりも彼の功績の方が大きい。

その後彼は数々の成功を収めたらしい。

また「ナウシカ」の音楽を担当した「久石譲」の功績も大きい。

彼もこの作品から次々とその天才性を発揮し成功を収めている。

確かに宮崎駿の天才性を見抜く力は認めざるを得ないが彼自身のアーチスト性は凡庸であり、ここまで成功を収めているのはこの二人の天才によるところが大きい。

事実この2作品以降の作品は全て内容は凡庸であり、「回顧主義」「自然破壊」ばかりの内容に終始している。

特に酷かったのは「もののけ姫」「千と千尋」「ハウルの動く城」に至っては「ナウシカ」のカバー作品と思えるほどの内容で、この辺りから宮崎自身の限界が伺える。

スタジオジブリは2作目の「ラピュタ」で倒産の危機を経験した。

「ナウシカ」での成功で気を良くした宮崎の驕りがそうさせたのだ。

それまでのアニメ映画はそのほとんどがTVアニメからの映画化が基本的スタンスだったのに対し宮崎アニメは商業誌からの映画化だ。

「ナウシカ」はまだアニメージュと言う商業誌からの映画化だっただけにある一定のファン層は居たのに対し「ラピュタ」は完全にスタジオジブリ独自の作品で、原作が無い所からのスタートで、宮崎自身の本当のオリジナル作品であった。

だから当然宮崎自身はこの作品に相当な思い入れがあり、彼の本当の実力を世に見せつける試金石となる作品だった。

前作が大成功を収めただけに宮崎自身は相当の観客動員数を見込んだだろう。

しかし結果はものの見事に大失敗を呈し、ジブリは大赤字を出してしまった。

何の予備知識も無く、何の前提も無い完全オリジナルアニメ映画の制作は当時のジブリの親会社でもある「徳間書店」はその制作に難色は示していた。

しかし宮崎の執拗でかつ強硬な姿勢は強引にも「ラピュタ」制作を踏み切らせた、しかしこの結果を受け、宮崎自身のこの姿勢はジブリの存続やその他の全てに影響を及ぼし、彼の独善が生んだ被害は彼にとって相当過酷な物だっただろう。

しかし彼ほど幸運の持ち主はいない。

彼が所属していた「徳間書店」「スタッフ」はそんな彼を見捨てなかった。

普通のサラリーマンならこれほどの損害を出したなら即「左遷」もしくは「依願退職」を迫られるだろう。

「ラピュタ」での尻拭いからジブリの経営まで全てを徳間書店はバックアップし、彼を見捨てなかったのだ。

本来、スタジオジブリは徳間書店の100%出資会社でそこでは宮崎はただ単に社員の一人でしかない。

「ナウシカ」の成功で傲慢になった宮崎の姿勢には徳間側と幾度となく軋轢を生じていた。

しかし宮崎は徳間側に一歩も譲らず「ラピュタ」制作時には徳間側の影響を排除するためにもジブリ独立を訴え強引にもその野望を貫いた結果の事だ。

ただ単に一人のアニメーターにすぎない宮崎をここまで見捨てなかった徳間書店の懐の深さには日本人としての古き良き社風を見て取れる。

そして背水の陣を引いて制作された「となりのトトロ」

これはもうジブリとしては失敗の許されない事業だけにこれまでの単品上映ではなく同時上映に「火垂るの墓」を用意した。

これまで宮崎と高畑はタッグを組んで制作をしていたがここからそれぞれがジブリ作品を単独制作するシステムに移行する。

この映画がヒットするよう様々な仕掛けを徳間書店は仕掛けた。

映画上映の前にTV放映で「ラピュタ」を流した。

これが予想以上の反響を生み、スタジオジブリ作品の質の高さや宣伝として大きく広まり、ジブリオリジナルの作品に大衆は新たに知名度を上げ、それが追い風となって「となりのトトロ」はまた大成功を収める。

さらに同時上映された「火垂るの墓」はメインでもないサブ上映作品にもかかわらず反響は凄まじく高畑の名声までも上げた結果となった。

この成果は宮崎だけがクローズアップされているが実は徳間書店をはじめとする多くのスタッフたちの成果の方が実は大きい。

宮崎は「ラピュタ」の失敗から本当は知っているように思う。

彼の作品が支持されている本当の理由を。

彼が実は凡庸な才能の持ち主だという事を・・・

だからもう既に幾度も「引退」を口にしているのだろう・・・

「もののけ姫」は彼の最後の作品として制作されたものだと思う。

彼の創作性はここが限界だったであろう。

と言うよりむしろ実は「ナウシカ」で終わっていたのだと思う。

なぜなら「もののけ姫」のストーリーは「ナウシカ」とほとんど変わっていない。

また彼は「もののけ姫」制作を機にスタジオジブリを退社している。

この事からも彼の心情は察する事が出来る。

当時私は「もののけ姫」制作の時一番ジブリに通っていた。

当時のスタッフは口にはしないがどこかわかっていたように思う。

宮崎アニメは「ラピュタ」で終わっていたのだ。

その後の彼は「神輿」でしかなかったのだ。

それ以降は徳間書店の業績悪化と博報堂のために働いていたのかもしれない・・・

ある種の「恩返し」なのだろうか。


たぶん彼は、一介のアニメーターに過ぎなかったことを、ただのアニメ好きの男だったという事を知りながらもここまで続けてきた・・・


大衆パワーという目に見えない圧倒的パワーに振り回され、その恐怖と現実の狭間に生き、身の丈を超えた才能を押し付けられた男の最後の作品・・・


本当に「お疲れ様でした・・・・・」















名前

内容

はいむるぶし 記入なしさん 小説は読んでおりませんので分かりません。しかし多分脚本が宮崎なので大分変っているのでは・・ (14/06/23 17:44)
はいむるぶし 腐敗官僚さん おひさです!中島飛行機でしたっけ!まっ どんな開発も大抵は軍需が源流ですがね! (14/06/23 17:42)
はいむるぶし まりあっち お〜早速見ましたか!そうですか!高評価ですね!これは「トトロ」と同じ内容です!そこに現存した人をモチーフにしたに過ぎない映画だと思いますね!「愛」は私とまりあっちにもう既にあるじゃないですか〜〜!^^ (14/06/23 17:39)
記入なし 堀辰雄の 小説『風立ちぬ』は読みましたが アニメ観てません  筋書き同じですか                  すじがきおなじなんでs (14/06/23 15:25)
まりあ ウチの主人は涙流してましたよ〜★★★★★らしいです^^ イタリアの血が流れていることと、登場するオオバコの動き、私も見逃していたユキノシタの美しさにも共鳴していたみたいです^^ (14/06/23 11:45)
まりあ 昨夜、早速見ましたよ〜(*^_^*)私のレビューは★★★★☆です^^ この映画は「愛」を表現されていますね〜。男尊女卑の時代ですが、平成の我が国では崩壊した、殿方の所作、女性を立てる心遣い、障子の閉め方、座布団の正しい座り方など。。古き良き国風文化からの我が国、日本の良さ、そして、人の限られた時間の生き方の大切さについて感銘を受けました♪ 見る方の育ち・教養・所得の差で見解が変わるかもしれませんね;;;(^_^;;) (14/06/23 11:45)
腐敗官僚 『風立ちぬ』の”紅の豚”バージョンのパロディ作品とか作ったらウケるんだけどねぇ。 ついでに「非力なエンジンの代わりにガスタービンエンジンを開発しますたぁ!!」とかやらかしたら、もっと面白いものになったんだろうけどねぇ。どうせ、フィクションだしw でも、この当時の航空機産業が現代の日本の自動車産業の源流となっているんだけどねw (14/06/22 20:54)
まりあ 『風立ちぬ』はまだ見ていないので今度見てみますね〜(^O^)/「月月火水木金金 今日も、股下1センチ!」の時代やさかい、保守のウチはあきまへんわぁ〜^^; (14/06/22 10:25)


 ■ 2014/06/14 (土) 技術大国 にっぽん


私の友人で自衛官がいる。

先日この友人と長い時間おしゃべりをした。

この友人は自衛官として立派なキャリアを持つ大変優秀な男で、性格も穏やかで落ち着いた雰囲気を醸し出す魅力的な男だ。

私はこの友人との一時が大変お気に入りだ。

その友人から大変興味深い話を聞いたのでここに記してみる。

平成22年に配備された「護衛艦いずも」石川島播磨重工制作のヘリコプター搭載型護衛艦は世界に大きな波紋を呈した。

日本の右傾化、帝国主義の復活など特に中国、韓国からは相当非難されたようだ。

日本はそれと並行して日本初、悲願の国産ステルス戦闘機「心神」を誕生させた、三菱重工業を主体としたこの戦闘機は現在ではまだコンセプトモデルとしての開発で実用機ではない。

しかしこのモデルの性能はアメリカから絶賛され、これに自信をつけた日本は現在「心神2」実用型戦闘機を開発中だという。

ここで注目すべきはこの「心神2」の開発コンセプトだ。

既にある「心神」はコスト、重量、燃費、戦闘能力、その他のあらゆる性能はもう既に高く評価されているのだが次世代のおける主要性能である「ステルス性」にまだ問題点があり、ここに注視された開発を「心神2」に盛り込まれる。

ステルス技術は日本は既に高い技術を持っており、既存のアメリカの戦闘機には日本のステルス技術は必要不可欠で現在実証済みである。

しかし日本の技術屋はここで止まらない。

この「心神2」に盛り込まれる「ステルス性」は100%ステルスを目指しており。

電波、音、目視という人間が出来うる確認作業全てから消失するという機能を備える機体を目指しているものだ。

この理論はもうすでに実証済みで、これを「心神2」に盛り込むというのだからこれは21世紀を代表する兵器となるだろう。

彼が言うには

「これからは日本もこれまで消極的だった兵器産業、航空機産業、へ積極的に世界へ打って出る!」

日本の技術力は今まで弱電や自動車にだけ特化されたような一般工業用製品が多かったことに対してここ最近は目覚ましい結果を出している。

最新鋭ロケット「イプシロン」がカナダに売れたこと、諸問題はあったが「ボーイング787」への日本企業進出、日立製作所製高速列車「クラス395電車」が初めてヨーロッパの高速鉄道に姿を見せ、その評価は大変好評で追加発注を含めると約900両が受注されている。

日本の重工業がこの数年で世界に飛躍している事が伺える事象だ。

そしてここに加えて「兵器産業」まで加わると日本は名実ともにアメリカを脅かす唯一の国家となる。

その道程は困難極まる物ではあるだろうが日本の技術力はその全てをいつか凌駕する日が来るだろう。

世界の経済紙「フォーブス」が出す世界優良企業の中で資源を主とした会社が上位を連ねる中で、ただ純粋に技術力だけを背景とした会社は日本が一番多い。

更に将来有望視されている「ロボット技術」は既に日本が最先端である。

重工業、弱電、輸送、化学・・・全ての分野でTOPを走る日本企業。

唯一弱い医薬の分野は政治的背景がそうさせているだけで技術が無い訳ではない。

もし彼が言うように「兵器産業」に日本が本格参入すれば


本当にこの日本はアメリカの次に世界を制する国家となるかもしれない。
















名前

内容

はいむるぶし まりあっち 年貢の納め時!・・・・ま・ま・ま・りあっち!ではとうとう私と・・・・して日取りはいつ?^^ (14/06/20 02:13)
はいむるぶし 記入なしさん なるほど!横山大観ですか!「心神」それは「魂」・・うん!カッコイイ!大学は某国立とだけ・・・・ (14/06/20 02:09)
まりあ はいむるぶし社長、年貢の納め時ですよ^^ 国民健康保険の請求は来ましたか^^ (14/06/17 18:02)
記入なし 三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所でしょうか 友人は国立名○○大学でしょうか (14/06/17 14:12)
記入なし 「心神とは魂のことだが、私の富士観もこの言葉に言い尽くされている」・・・これは横山大観氏が生前口にしていた言葉だそうです。  (14/06/17 14:04)
はいむるぶし 素浪人さん どこの国も軍事から技術が発展していきます。現代においては軍事力=防衛力と言う図式ですのでむしろ軍事力が強化されればされるほど戦争は回避されます。歴史が証明してますね!その友人は防大出身ではありませんが国立大出身です。 (14/06/15 19:39)
はいむるぶし タヌキっぽさん 川重はもう大丈夫です!以前の失敗はもうしないと思いますよ!しかし町工場クラスの会社で特許を持っているところが怖いですが・・・ (14/06/15 19:33)
はいむるぶし タヌキっぽさん (14/06/15 19:30)
はいむるぶし まりあっち 愛の束縛・・・・・・き・き・き・亀甲縛りのことですか・・・・・!^^ (14/06/15 19:30)
素浪人 そのご友人という方は、防大出の○将・補閣下ですか? (14/06/15 17:23)
素浪人 時代が変わっても人間はやること事は同じですね。技術は、軍事と切り離せません。第三帝国と同じ道か、それとも賢く闇商人の道ですか? (14/06/15 17:18)
タヌキっぽ 川崎重工は大丈夫か?精密機械の現地生産を推し進めている(コアパーツは国内生産らしい)が、技術流出売国奴に成らぬよう願う (14/06/14 21:32)
まりあ XF5-1のことですか^^ 13日の金曜日、その手の殿方へ、甘〜い吐息をじらすように、ふゎ〜っとふきかけてみたら、情報を聞き出せましたわ〜(*^_^*)朝雲貰いましたw ステルス技術なんて、世界中のどんな国が頑張っても、ダメっw、無駄ッwww!「愛の束縛」からは絶対に逃れることなんてできませんから( ´艸`) (14/06/14 21:04)


 ■ 2014/06/09 (月) 再会


最近の話であるが久しぶりに兄と会った。

それはある事から兄が初めてここ沖縄にくる用事があったからだ。

突然私の携帯に電話があり、沖縄に行くから久しぶりに会おうという事だ。

私もずいぶんと会っていなかったため、そのお誘いに乗ったのだ。

兄は初めての沖縄だけにせっかく行くのだから用事が終わってからどこか観光案内をさせろと言う事だ。


私と兄はもう本当にずいぶん会ってはいない。

兄がどんな仕事をしているかは何となく知っているが詳しくは分かっていない。

これを機にどの様な仕事をしているのかを詳しく聞きたかった。

ちなみに兄は旧帝大出身で某一流製薬メーカーで研究職に就いている事だけは知っていた。

現在の地位や下衆な話だが給料はいくら貰っているのか?それ以外にどの様な研究内容かを知りたかった。

電話を貰ってから数日たち、いよいよ兄が来るという前日に連絡がきた。

待ち合わせ場所の指定であったのだが、これが驚きと共に興味も更に湧いた。

その待ち合わせ場所はあまり知られてはいないが


「OIST 沖縄科学技術大学院大学」


あまり聞き覚えの無い大学だがここはどういう所かと言うと。

世界の理系の最先端を行く教育を主とした大学で、世界から集められた博士課程の生徒たちを選抜し、更に高度な教育を施し、ノーベル賞を視野に入れた研究開発を積極的に行う機関で、その生徒数は世界から選抜された約50名の優秀な人材を更に優秀な研究者として育てる事が目的の大学である。

教員は約50名、そこにはノーベル賞受賞者はもちろんの事、世界からあらゆる理系分野のTOPクラスの研究者や教授が揃っている。

日本人では理事にあのノーベル賞受賞者である利根川教授が居る。

大学内はもちろん公用語は英語で、そのほかに世界からあらゆる分野の研究者がここに集まっている。

この大学設立は小泉内閣の時に立案され、世界最先端の理系大学と言う名目で建てられた。

そしてこの兄がなんと臨時講師として招待されたというからこれはただ事ではない。

いったいぜんたい兄はどんな奴なのだ?

私も一応理系出身なので興味津々は言うまでもない。

そして当日、私は待ち合わせ場所である大学へ行った。

結局、大学内はいけなくて最寄りのホテルへ向かうよう言われた。

少し残念ではあったがそのホテルへ向かいロビーで待つ事数分、しばらくして兄が現れた。

兄だけが来るものと思っていたがもう一人初老の男性も一緒に来たのだった。

私は軽い会釈と共にその初老の方も一緒なのかすこし困惑した。

しかしその疑念もすぐ無くなった。

兄はそそくさとその初老の方を置きっぱなしに、そして私の方に来て「ひさしぶり!^^」なんてニコニコ顔で・・・・

「どこつれてってくれんの!」

「いや〜本当に久しぶりやな〜!^^」

「元気にしとんか〜〜〜^^」

「仕事はどないや〜〜〜^^」

「彼女はおるんか〜〜〜^^」

私が喋る暇も無くニコニコ顔で、しかもなんか体も自然とノリノリになってはしゃいでいるのだ!

「もう行っていいの?」

「あ〜ええで!はよいこ!」

「あそこのお連れさんはええんか?」

「あ〜あれ?ええ!ええ!あっちもあっちでどっかいくやろ!」

「わかった!ほないこか!」

という訳でとりあえず私は沖縄北部にある名所めぐりに兄を車に乗せ出かけた。

道中、車中で色々と話した。

今回の大学の件や現在兄がしている仕事内容、そのほか聞きたいこともろもろを・・・

話の中で少し気になっていた兄のお連れさんの話になった時、その人物がどの様な人かをその時聞いたが聞いてびっくりなんとその方は薬学博士で東大名誉教授、たまにNHKで私も何度か見たことがあるその人だった。

「あの人とは学会でしょっちゅう一緒になるで!」

「は???」

「別に驚くことないで!変なおっさんやぞ!」

なんなのだ?いったい兄はどんな地位でどんな人物なのだ?

今まで暗に凄いとは思ってはいたが実際は更に、とんでもなく凄い人物なのだろうか?

私の好奇心は更に兄に向け、突っ込んだ話をどしどしだすのであった。


兄は私のする質問全てに何の屈託も無く答えてくれ、それらを要約すると


大手製薬メーカー研究開発チーム室長と言う地位で、兄がそこで開発し特許を取った医薬品は多数、その傍ら世界各国へ研究発表や学会への参加およびそれに伴う各国大学への講師依頼、世界大手医薬品メーカーへの共同研究参加、政府ODA選考委員・・・・・

要するに兄は日本滞在より諸外国の方が多く、そのあらゆる功績により今回「沖縄科学技術大学院大学」に招かれた。


気になるのはこんな奴の年収っていったいいくらなのか?

これまでの質問にはすべて答えてくれたのでいくら兄弟でもこの辺りは聞きにくいものだが敢えて私は聞いてみた。

「しらん!」

「そんな事はないだろう!」

「本当に知らんもん!」

「ほんまに?」

「だって銀行には行けへんし、給料明細なんか見たことない!その辺はみんな嫁が管理しとる!」


考えてみれば確かに知らないかもしれない、兄は基本面倒くさがり屋でしかもお金には興味が無い。

いや、お金だけでなく物欲が無いのだ。

研究者なんてものはこんなものかもしれない、だからかどうかは知らないがその後の兄との行動の中でおかしい事が多々あったからだ。

夜も更けて私は兄を私の行きつけの小料理屋へ連れて行った。


「うぉ〜〜ひさしぶりや〜〜こんなお店来るのん〜〜^^」

「兄貴はあんまり飲みに行けへんの?」

「いかへんいかへん!いや〜〜新鮮やの〜〜!」


少しオーバー気味のリアクションに私は少なくとも気には入ってくれたようなので安心した。

「こちらの方は○○さんのお兄様でいらっしゃいますか?」

このお店の女将がそう聞いてきた。

「あ!女将さん!そうなんですよ!このろくでもない弟の兄なんですわ〜〜!」

「いつも弟がお世話になってます〜〜!なにか弟がおかしい事をしたらすぐ僕に連絡ください!あっ!そう言えばお金!ちゃんとこいつ払ってますか?」

「あははは!ほんと!弟さんそっくりだわ!のりが良いですね!^^」

「え〜〜〜!こんな奴と一緒にしないでください〜〜!こんなセンスのかけらも無い奴と一緒なんて傷つくわ〜〜〜!」

「あら〜〜○○さんって結構モテるんですよ〜!」

「げ!女将さん!いくら弟が常連とはいえ嘘はいけません嘘は!」

「いえいえ!本当なんですよ!だってこのお店の女の子達にも結構人気者ですよ!」

「女将さん・・嘘でしょ?い・いや嘘と言って!兄としてのプライドが・・・」

「はははは!本当にお兄様って面白い!お兄様って吉本の芸人さんですか?^^」


ここで書いたこのくだりは本当の事で、兄の地位や肩書を知らなければ本当に芸人顔負けの陽気な面白いただのおっさんなのだ。

また、そんな何も飾らないし見栄も張らない兄を私は子供のころから尊敬していたし、いつも私はどんな時でも兄を手本にしていたように思う・・・

一件目の小料理屋を後にし、次はまた私の行きつけのラウンジへ兄を連れて行った。

「お前いつもこんな店へ行ってんのか?」

「ま・ま〜な」

「ここって・・お前・・めっちゃええやん!^^」

「そやろ!^^」

この店でも兄は大はしゃぎ!


「きゃ〜!お兄さん面白い〜〜〜!!」

「いやいやいや!普段は僕はめっちゃまじめな仕事をしてるんやで〜〜!」

「あははは!うそ〜〜!で?何の仕事してるの〜?」

「だ〜か〜ら〜!白衣着て〜〜!・・・」

「あ〜〜〜わかった!おいしゃさんごっこ!」

「そうそうそう下半身専門の〜〜〜!なんでやねん〜〜〜」

「あはははは!こんなお兄さんだったら私もほしい〜〜!」

「う〜〜〜ん!よし!あげちゃう!今日から僕は君のおにいさん!」

「やった〜〜〜〜!」

「じゃ今日は仕事終わったら一緒に帰ろうね!^^」

「お兄さんいらない!」

「え〜〜〜〜〜〜〜!!!」


兄が変態な所も私は受け継いだのだろうか?


何にしても私はこの兄と過ごすこの時間がめちゃくちゃ楽しかった・・・

しかし楽しい時間はすぐ過ぎ去る。

次の日、私は兄を空港まで送って行った。

帰りの車の中ではほとんど喋らなかった。

そして最後の別れ際に兄は私に向け言った


「俺らももう歳やからもう会われへんかもしれんけど頑張れや」

「そうやな・・・」

「なんかあったらいつでも電話してこい、金やったらいくらでも出したる!分かったか!」

「はは!そやな!なんかあったら電話するわ」

「ほんまやぞ!」

「うん・・」


そう言えばこの会話は以前にも喋った様な気がした・・・

私が故郷を離れた時だ。

今と寸分狂いなくこの会話をした覚えがある・・・

しかし私はこの兄の呼びかけに答える事が無くホームレスになってしまった・・・

ただ・・・一回だけホームレスの時、一回だけ電話をしたことがあった。

直ぐに切れてしまった電話だったが私はその電話のおかげで、当時生きる希望も何もなかった私に生きる勇気を与えてくれた。

兄はその時の事を覚えているだろうか・・・

でも私はそのことは聞かなかった。

たぶん・・・いや、絶対覚えているだろう。

なぜなら兄は私の事を誰よりも大好きだからだ。

なぜなら私が兄の事が大好きだからだ。

兄の言うとおり、今後もう兄とは会えないかもしれない・・・

今回会えたのも兄がこちらに来る用事があったからだ。

それが無ければこの再会は無かっただろう。

実は兄はこうも言っていた・・・


「沖縄へは招待はされたけど来ないでもよかってん・・」


今思うとこれは本当だったのかもしれない。

「OIST 沖縄科学技術大学院大学」へ来ることは大事な事かもしれないが本当は私に会うために来たのかもしれない。


私は今後、また何か想像を絶する試練が待ち受けているかも知れない。

しかしその時も私は一人でその試練と戦っていることだろう。

なぜ一人で戦うかと言うと


兄も一人で戦っているからだ・・・・















名前

内容

はいむるぶし 記入なしさん そのとーり!南群星が見えるところにおります。しかしもう飽きたかな!^^ (14/06/14 18:18)
はいむるぶし サイコロさん な〜つがす〜ぎ〜かぜあざみ〜・・・・にっぽんのなつ!きんちょうのなつ!冷たい麦茶と蝉の声・・・・・!^^ (14/06/14 18:16)
はいむるぶし まりあっち 男ってそんなものではないでしょうか?この辺も私は昭和レトロ?^^ (14/06/14 18:12)
記入なし はいむるぶしさん 沖縄何ですね。名称の由来は沖縄地方の方言で、「南群星」(はい・むる・ぶし)から。南群星とは、南十字星を中心とした南に群れている星を意味する。良いお名前ですね^^/ (14/06/13 15:56)
サイコロ きょうだいって、なんなのかぁなぁ〜とお〜いとお〜いなつの日が、おもいおこされてしまったよぉ・・・それぞれ夏休み帳を仕上げるように・・・でも、子どものときとちがって、だれひとりとして同じ課題ではないんだね〜 (14/06/09 23:18)
まりあ ちょ、ちょ〜!! (^_^;) 一部の読者サマは、はいちゃんのお兄様?を特定できそうやんか〜;;こんなこと書いた時点でウチも特定されてる?w 今度の13日の金曜日には、老齢・障害年金の支給が下がるさかい気ぃつけや〜!と、お兄様?によろしゅうね〜(^O^)/ (14/06/09 22:26)
まりあ なんか、はいちゃん…、かわいそうやわ。。。。お兄様も。。。。兄弟ってそんなもんやろか〜。あいたい、電話したい思ても、どうしようもなくなるで〜。動けて、頭もしっかり(認知症になる前に)しているうちにもっと家族交流しときー!(今日は関西弁でかいてみた^^) (14/06/09 22:25)


 ■ 2014/06/07 (土) 夫婦関係


私の家系は俗にいう「男尊女卑」になるのかもしれない。

そう思うのは私の友人や知り合い達に夫婦の有り方を語り合うとき何時もそう言われるからだ。

そう思われる理由を列挙してみる。

1、子育てはほぼ手伝わない

2、家事(掃除、洗濯、買い物、炊事・・・)は一切手伝わない

3、夫婦での買い物における荷物は一切持たない

4、私の仕事中にはよっぽどの理由でない限り電話はさせない

5、どの様な状況であろうと私への来客には笑顔で対応する事

などなど・・・・

ま〜言わば昔の夫婦の有り様だと思う。


しかし現在ではこの有り様は特殊なのだろう・・・

周りの人達は私を「特別天然記念物」のように言っているし、それより「そんなんで良く奥さんが着いていっているな〜」と不思議がられる。

確かに今のご時世ではそうなのだろう。

しかし、私から見れば逆に思う事がある。

私を不思議がる彼等を見て、「そこまで奥さん達に迎合して何かいい事でもあるのか?」

と本当に思う。

私の家系、いわゆる兄弟達は男も女もこのしきたりを常時守っている。

それは当然私達の親がそうであったからだし、そこに何の疑問も持っていないからだ。

彼等が言うこの夫婦分担制を正当化するロジックの代表的言い分は「夫婦共働き」が一番大きいだろう。

昔は旦那は外で働き、家内は家を守る。

だから昔はその様な夫婦の有り方が当然だったが今は共働きが当然で女性側に大きな負担が掛かりアンフェアだという理由だ。

何を言っているのか?

サザエさんの見過ぎか何か分からないが少なくとも私の世代の両親達はそのほとんどが共稼ぎであった。

戦後焼け野原で日本人のほとんどが飢えと寒さで凍えて一億総貧乏人の時代である。

そんな中で専業主婦でやっている家庭はほんの一握りの富裕層たちだけで、やもすると現在より共稼ぎ率は多かったかもしれない。

しかも当時は「貧乏子だくさん」と言う時代で、その時代の奥さん達は仕事も家庭も子育ても全て一人でやりこなしてきたのだ。

更に言うなら。

現在みたいに炊事も洗濯もその他すべての事に便利な電化製品など何もなく、すべてを手作業一つでこなしてきているのだ。

これはどう考えても昔の女性達の方が現在の数倍忙しく、しかも一人でこなしているのだ。

また、昔の女性達はその事を当然のように受け入れ、ましてやそれを旦那に押し付けるなどもっての外で、むしろ旦那側がそれに見かねて手を出すようものなら「女性の恥」とまで思い、旦那の手を出すことを拒んだぐらいだ。

私の両親も同じで共稼ぎだった、途中からは親父は寝たきりでお袋が一切の家事や生活費に至るまで女手一つで頑張っていた。

そんな家庭で育った私や兄弟達は、その有り方を今も踏襲している。

2人の姉も嫁いだ先で共稼ぎであったが二人の子供も家事も仕事も見事やりこなすし平和に過ごしている。

私は時に思う・・・

現在の巷にあるこの夫婦の有り方、これは正しいのか?と思う。

女性達への配慮?と言うべきかなんなのかは分からないがこの形に違和感があるのだ。

私との仕事の話の最中に相手の携帯が鳴り、その用件を聞くと相手の奥さんからの電話で、その用件は「仕事の帰りに〇〇を買って来て!」

また他では「仕事の帰りに子供を迎えに行って!」

また、街ではコンビニの帰りか旦那が両手いっぱいのビニール袋を下げ、前を奥さんが手ぶらで歩いている・・・

台所に立つのは分担制、掃除も分担、もちろん子育ても分担は当たり前・・・・

これでは「男」としての役割はいったい何なのだ?

逆に「女」としての役割は?

まさか本当に「男女平等」など本当に思っているのか?

私を知る多くの人達は私の夫婦関係を羨ましがる旦那方がたくさんいる。

「良く○○さんの奥さんは言う事聞いていますね」

「どうすれば○○さんのようになれます?」

「よくそんな関係で奥さんに離婚されませんね?」

そう言ってきた人たちに向け私はいつも同じことを言う。

「出来ないって言えば良いじゃないですか!」と・・・

そうすると概ね皆は同じことを言う。

「奥さんに怒られる」

「喧嘩になる」

「へたすると離婚にまで発展する」と・・・

そうするとまた私は同じことを言う。

「じゃ別れればいいじゃないですか!」と・・・

そうすると皆一様に

「それはまずいですよ!」

は?何がまずいのだ?

我慢して、無理をして、そこまで奥さんに迎合して何が良い事があるのだ?

奥さんの機嫌を損ねる事がなぜそんなに怖いのだ?

なぜそこまでして下手に出なければならないのだ?

「妻にも働いてもらっているから・・・」

それがなんなのだ?

そんな事は昔も今も変わってはいない!

それどころか現在は電化製品の進化で昔に比べ格段に楽になっている。

なぜそんな事が弱点にならなければならないのだ?

なぜここまで「男」は弱くなったのだ?

それとも「女」が強くなったのか?

ま〜どちらにしてもこの夫婦関係は私には全く良好には見えない。

どちらもどこか気を遣い、互いにおもねいて本音が見え隠れするような夫婦関係。

「父性の消失」「母性の欠落」

この様な家庭で育つ子供はまた今以上に、どちらが母親でどちらが父親か分からなくなるような夫婦関係。


お互いが尊重しあう事の無い機械的な分担制のの中に、これからの若者はどのような「夫婦関係」を築いていくのだろうか・・・・・
















名前

内容

はいむるぶし LIFEさんがお幾つかどうかが分かりませんが所詮人間という物は万能ではないという事です。理想という物は素晴らしいものですがそれを当てはめていくといずれは破綻するという事です。理想と現実はやはり区別しなければどんなものにも軋轢が来るという事です。先進諸国はこのジレンマの狭間に立っているのです。フランスなどが良い例でしょう・・・ (14/06/09 21:53)
LIFE …なんか書こうと思いましたが、もう辞めておきますね。何を持って間違いだ と言うのかは賛同致し兼ねますが。 (14/06/09 21:42)
はいむるぶし LIFEさん お〜初めてのコメント有難うございます!お返事を書くとすれば、男か男である意味と女性が女性である意味だと思います。今の時代は特に先進諸国に見られる間違った平等意識が離婚率を上昇させ、少子化に拍車をかけていると思います。男には男の役割があり女には女の役割がある。これが現在では全てがごちゃ混ぜになっており、その結果、双方が求めるものが曖昧で尊重する心が失われていると思います。 (14/06/09 21:31)
LIFE いつの時代からなにを取り戻すのでしょうね。江戸の町では秋から春まで妻子は田舎にかえし、男は自分のことは自分でやったそうです。江戸は火事が多かったから。何時代をお求めですか? (14/06/09 21:02)
はいむるぶし 知らぬ間にコメントの嵐〜〜〜!全ての記入なしさん、まりあっち、サイコロさんへ・・・そうなんです!私は時代遅れの生きた化石です!でもそれでいいのです!私は本来夫婦とはこんなもんだと思っております!世界的に見れば私の夫婦関係が圧倒的多数ですよ!エセ男女平等など先進国だけの産物です!もし私がナプキンなど買ってきたら逆に嫁に叱られます!「みっともない!」とね!世の男性諸君!父権を取り戻せ!強くなれ!^^ (14/06/09 19:46)
記入なし まりあさん 激しく同意です。 (14/06/09 10:29)
記入なし ちなみにこちらのソースは「福翁自伝」です。慶応の幼稚舎を受ける家庭では事前に読んでるとか聞いたような・・・ (14/06/09 07:30)
記入なし 咸臨丸中で海舟と不仲だったという福沢諭吉も、彼の教育論で「獣の体を作ってそこに人間の心を入れろ」と言ってたようです。自分の息子にも、「青白い頭でっかちになるぐらいなら、筋肉ムキムキで無学のほうがいいからな」と言ってたみたい。時代と言えば時代ですが、ガリ勉よりヤンキーがモテるのはまあ今もそうですね。 (14/06/09 07:28)
サイコロ ありがとうございます。すごく参考になりそうです^ところで、下記の明治の男性らしく、と書いた趣旨は明治期に活躍した方々ということです、勝は幕末から明治期にかけてということになりますでしょうか・・・そうなると、やはり乱世の方が男性に分がある、ということになりますか・・・ (14/06/08 23:04)
記入なし 連投ですみません、講談社学術文庫でした(岩波のはちょっと不明) (14/06/08 22:32)
記入なし ちなみに勝海舟のセリフのソースは、勝自身による「氷川清話」(岩波)です。興味のある方はぜひ一度。 (14/06/08 22:30)
記入なし 明治の男性と言えば、江戸の男性だった勝海舟は「明治のやつらは屁理屈をこねてばかりだ。もっと体を鍛えろ!」としつこく言ってたようです。上の世代が説教したくなるのは伝統みたいですね(笑)。 (14/06/08 22:16)
サイコロ 肝っ玉母さんという言葉があるように、男は女性の掌の上で転がされているだけの存在なのかもしれません・・・今の総理でさえ、夫人には頭があがらないとか^しかし、その中で、はいむるぶし様のように明治の男性らしく生きようとしたい方もいますから・・・そのような人にぜひ、男性代表としてガンバっていただきたいものです^ (14/06/08 21:52)
サイコロ 江戸時代もそうですが、平和期には、女性が強くなり男性が弱体化する・・・まさに、記入なしさんの言うとおりでしょう (14/06/08 21:45)
サイコロ 一方女性は、40才を越えたころから、更年期に向けて、女性ホルモンが減っていき、それまで、女らしさを保っていたホルモンが減っていくことで女らしさが失われ、時代もあいまって一層、男性化されることになります。 (14/06/08 21:43)
サイコロ 男が弱くなったのでしょう^それは、歴史が証明しています。ところで、男性は40才を越えたころから、男性ホルモンが徐々に減っていくのが見受けられます。すなわち、テストステロンが歳をとるにしたがって減っていき、男らしさが徐々に失われていきます。 (14/06/08 21:40)
まりあ ウチの夫婦関係ですが、旦那サマにナプキンを買ってもらっています。最近では旦那サマのほうが製品コードまで覚えていて、私以上に詳しかったりします。。とっても理系な旦那サマでしょ(^_^;) はいむるぶしさんも、奥さまの体調が悪い時は、ネットじゃなくて店頭で買って、プレゼントしてあげてね(^O^)/ (14/06/08 20:45)
まりあ はいちゃんって、昭和の方ですねぇ( ´艸`) たくさんのさとり世代の女性に好かれるようなはいちゃんになってね。 (14/06/08 20:43)
記入なし かつて兵役(徴兵)があった時代男は命を賭けて国家や家族を守るのが当然であり、何時死ぬか解らなかったから、母親は自分の息子に対しても敬重の念を持って接してました。だからこそ女達は命を賭ける男を大切にし、家事など女手で出来る事は極力男に頼らずやって来た訳です。つまり、平和ボケした時代に男も女も同じ土壌で生まれ育つ様になった結果が、今の男女関係に現れているのでしょう。 (14/06/08 12:37)
( 20件を超えるコメントは省略表示されています - コメントを全部読む )


前の月 次の月


爺放談TOP

タイトル一覧 月別