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不信のとき

Author:伊藤 博文 ( Profile )
心に愛がなければ、いかなる言葉も相手の胸に響かない。
    〜聖パウロの言葉より〜

 ■ 2014/06/22 (日) 俺にはオレの唄がある(柳沢きみお)


ライバルとの出世競争と家族サービスに追われる毎日に虚しさを覚えた35歳の主人公は、周囲に内緒でボロアパートの一室を借り、週末だけ「もう一人の俺」として生活するようになる。そして真の「男のやすらぎ」を手に入れるために出世も家庭も不倫相手も捨て、理想の美女にアプローチを始めるが、いつしか女性ではやすらげない自分に気づく。それでは一体「男のやすらぎ」は何処にあるのか?

「きみだって女はやすらぎにはならない、と言ってたじゃないか」
「でも女だと思いまして・・・」
「いまにわかる。女はやすらぎにはならないよ」


「あってるね、同じだよ。君の副社長もなかなか人生を知ってるじゃないか」

その答えを知っているのは素性の分らない隣人と副社長の二人だけ。そして答えは最後まで教えてくれない。主人公は最後のページでようやく自ら答えを見つけることになる


結婚したことのない自分には主人公の心境はわからないところもあっても
ラストのページではなるほどな、と思える

ただその答えはともかく、今後 妻や子供をどうするんだ、とも男の身勝手さに突っ込みたくもなるが・・・










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 ■ 2014/05/31 (土) ホリエモン


やしきたかじんさんが亡くなった今、
僕が日本で面白い人物と思っているのは
このホリエモンと作家の佐藤優さんの二人だ

彼は「高校で学年最下位の成績からストレートで東大に合格した」
という輝かしい伝説を持っている
普通の人間にできることではあるまい

ただ刑務所からでてきた彼を見ていて思うのは
塀の中で精神修養をしてきたのはいいが、
以前にくらべて、ちょっとスケールダウンしたかなと

プロ野球の近鉄やフジテレビの買収に動いた頃の
あの破天荒さが感じられないのは寂しい

それとも今は我慢の時と、なりをひそめているのか



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お疲れです 佐藤優さんって鈴木宗男の下で主任分析官してた人ですよね (14/05/31 13:05)


 ■ 2014/05/25 (日) 村上春樹


この間、短編集の「女のいない男たち」を買って読んでみた
☆4つというところが妥当なところだと思う
(ちなみに同じ短編集の「東京奇譚集」は自分の採点では☆4.5)

僕はこの人の作品をまだ数冊しか読んでいない
が、丁寧な文章と不思議に難解なストーリーのアンバランスが魅力的だ

つまらない日常の風景が
この人の手にかかるとソフトで異次元的な芸術に変わる
人気があるのもよくわかる


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 ■ 2014/05/06 (火) 広島カープ


これほど調子がいいのは久しぶりだ
やはりこのチームが強くならないとセリーグは面白くない

僕らの世代には「打の阪神」「技の広島」だった
高校野球の広島商業のプロ野球版とでもいおうか
完全に投高打低だが、試合巧者の大人のチームだった

ツーアウト3塁から衣笠が掛布の前にセーフティーバントを
決めて決勝点、というシーンを何回か見たものである

今のチームはその頃にくらべて未熟で選手層も薄いが
若くて伸び盛りの選手が多い

あの真っ赤なスタンドに20数年ぶりの快挙を
予感するのは僕だけではあるまい








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サイコロ 来月、球場に足を運びます^たしか、交流戦だったと思います^ (14/05/12 00:14)


 ■ 2014/04/12 (土) 戦艦大和


初めに断わっておくが僕は戦争が好きなのではなく、
ただ戦闘機や戦艦が好きというだけだ。ただの「ミリオタ」である。

こんな途方もないものが日本にもあったのか、といつも思う
現代でさえこれを再現するのはかなり難しいはずだ
まあ言ってみれば超巨大な「子供の玩具」なのだが、
見方を変えれば世界遺産的な人類の「芸術品」だと考えられなくもない

太平洋戦争時、日本には戦艦で、この「大和」のほかに姉妹艦の「武蔵」、
航空母艦でいえば「信濃」、「大鳳」のような「超」大型艦がそろっていた。
が、それらはいずれも海のもくずと消え去った
もったいない話だ

もしいま日本に海上自衛隊の代わりに「海軍」があったとしたら、
いったいどんな巨大戦艦、巨大空母が海に浮かんでいたか

いやいや、それはただの妄想だ
実現しなくてよかった危険な妄想である。

ただミリオタとしては、そんな超戦艦、超空母を見たい気もする




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 ■ 2014/03/30 (日) 幸せ


幸せというのが何なのか僕にはわからない
もっとも聖人の言によれば、人生というのはそもそも「苦」なのだそうだ

幸せというのとはちょっと違うが、ある時ふと緊張が途切れる、
ほっとする一瞬がある

たとえば、一人で残業して午前2時過ぎくらいにようやく目途がつき
書類も整理し終わった
喫煙コーナーから見ると隣のビルではまだワイシャツ姿のサラリーマンが
フロアをうろうろしているのが見える。
それを見ながら缶コーヒーを飲み、一息つく とか

あるいは、平日に有給で休暇をもらい午後の昼下がりに
自宅で「午後のロードショー」とかをぼんやり見ている とか

そんなのはほんの一瞬、
あとはご多分に漏れず、辞めたい、死にたいの連続だ

だがそういう瞬間は確かにある


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ひくいどり 向かいのオフィスで男女二人の会社員が愛し合っている光景を見るのも一息つける光景でしょうか? (14/03/31 10:27)


 ■ 2014/03/23 (日) 一切れのパン


「あなたに一つだけ忠告しておきましょう。そのパンは直ぐに食べず、できるだけ長く保存するようになさい。パン一切れ持っていると思うと、ずっと我慢強くなるもんです。まだこの先、あなたはどこで食べ物にありつけるか分らないんだから。そして、ハンカチに包んだまま持っていなさい。その方が食べようという誘惑に駆られなくてすむ。私も今まで、そうやって持って来たのです」


私は、ラビからもらったパンを思い出し、ポケットの中の包みに触ってみた。
パンはかさかさに固くなっていた。
老人はきっと、随分前からこの一切れのパンを保存してきたのだろう。
よしこれを食べようと思った時、ラビの忠告が私の記憶に蘇った。

「そうだ、彼の言う通りだ」

それに、貨車の中で、飢えに悲鳴を上げていなかった唯一の人間は彼だった。
パンを持っていたからに違いない。

「私は彼ほどの意志力もない弱虫なのか」



今度こそ、ラビからもらったパンを食べてしまおうと決心した。
しかし、数分間とつおいつ考えた挙げ句、私はそれを翌日まで延ばす事にした。
夜は眠るのだから空腹は感じないで済むだろう、と考えたのだ。
私は横になって、死んだように眠った。



林に着くと、私はラビからもらったパンの包みをポケットから取り出した。
ハンカチ包みを目にした途端、私の胃は引きつり、私は熱病患者のように喘いだ。
もしこのパンを持っていなかったら、と私は考えた。
到底ここまでも辿り着けなかったろう。
飢えに突き動かされて、兵士たちに食べ物を乞いに行ったかも知れない。
そして、あの職人のように銃殺されたかも知れない。
そうならなかったと誰が言えよう。

「いや、このパンを今食べてはならない。今はこのパン切れだけが、まだ俺に力を与えてくれる唯一の物だ。立ち上がって歩き出さなければならない。ここで時間を無駄にしては何の意味もない」

私は再び包みをしまい込んだ。



「これが僕を救ったんだよ....」
「まあ、その汚らしいハンカチが?何がその中に入ってるの」
「パン一切れさ」

突然、部屋全体が私と一緒にくるくると回転し始めた。
ハンカチからぽろりと床に落ちた一片の木切れ以外には、もう何にも私の目に入らなかった。

「ありがとう、ラビ」

                  (「一切れのパン」:モンテヤーヌより)













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ひくいどり ユダヤ教らしい話ですな。 (14/03/23 18:15)
記入なし 教科書に載ってました。「ありがとう、ラビ」ずっと記憶に残っています。 (14/03/23 12:22)


 ■ 2014/03/21 (金) JAPAN


日本は軍事力という「腕力」を持っていないひ弱な秀才少年だ

その点、アメリカやロシヤ、中国は豊富な資源を有する広大な国土を持ち、
さらには抑止力としての強力な軍隊も持っている

「力」を持っていない日本は、有事の際は誰かに頼るしかないし
そんな事態にならないよう、周囲に対して顔色を窺わなければならない

また、過去の不行跡についてしばしばご近所から嫌味を言われる立場でもある

本当に面白い国だ、しかし僕はそんな日本が嫌いではない

人間なら誰しも欠点を持っているのが当たり前
「力」を持たないガリ勉少年が、スクールカーストの中でどう生きていくか
そこがリーダーの腕の見せ所だろう









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記入なし 70年近く戦争してないけど、日本人はいざって時は底力を出せる民族だと思う。いわゆる大和魂って奴。江戸時代(260年)が終わるキッカケが欧米の脅威だった訳だし。今と幕末の頃の雰囲気は似てるような気がするね。 (14/03/22 16:24)


 ■ 2014/03/02 (日) 趣味


僕には妙な趣味があった
中学生の頃、つまり昭和50年代の前半に
高校野球の甲子園大会が好きだった僕は
その学校、野球部にお願いして、試合の録画テープを収集していた
まだユーチューブがなかった頃のこと

早実、東邦、中京、浪商、PL、箕島、星稜、高松商、岡山東商、
今治西、池田、東筑、豊見城・・・
ざっとこんなところだ

それらの試合を高層マンションの自室で
深夜一人で大画面TVで「鑑賞」する

東邦の坂本が、浪商の牛島が投げている
早実の荒木が池田にメッタ打ちにされている
ベンチの中央に蔦監督が、尾藤監督が座っている
東筑のホームスチール、豊見城・石嶺のHR

VHSに映るかすれた画像の昭和50年代の甲子園・・・

自分はいったい何故こんなことをしていたのか・・・
もっともこれらの録画テープはすべて廃棄した、惜しげもなく。










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 ■ 2014/02/27 (木) 性格と運命


性格が運命をつくるのか、運命が性格をつくるのか 
おそらくはその両方であるに違いない

この前、どなたかの日記をみていて面白いと思ったのは
人生の選択肢についてカーナビにたとえて書いていた文章である

なるほど確かにそういう最適化を図るナビゲーションがあったとしたら
人生の様相はだいぶ変わるだろう
人生の成功者たちは皆、優秀なナビを持っていたということか

ユーチューブでチャックスフィールドの「引き潮」を聴いていたら
なぜかたまらなく海外に行きたくなった

行く行くといっていつも行かない
今年こそ









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