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あわね |
■ 2005/03/23 (水) 売るほど無くても |
新しい面接の予約を入れてしまい自己嫌悪。
私のいくじなし!不安に負けて時間を換金するなんて。 生活していくだけのお金はあるじゃない。やりくりしようとおもえばできるじゃない。 そもそも、土日しか入れないバイトだっつーのに週末しか休みのない男を好きになったのがいかん。 デートしたくってついついバイトを休む。生活費なくなる。だけど平日に働いたり他のバイトをするなんてすっごく怖い。そして親に頼る。親はあからさまにいやな顔しないし、たぶんさっさと彼氏と結婚してほしくてだまって生活費だしてくれる。 ああ、なんて情けないんだろう。恋によろけて金に頼って。 今のバイト、土日だけのモデルルームの椅子に座っての看板もちは約二年やっている。バイト中音楽聴けるし、ハーブティーを水筒にいれてティータイムも楽しめるし。寒かったり暑かったりも服装の工夫で結構なんとかなるし。なんといってもバイト中にいろいろ物思いにふけったり思索や詩作に興じれるのがとてもうれしかった。バイトは私にとって、魂を育み時間という美酒に酔いしれ、都会の真中で風や日差しの角度や一日や季節の温度変化という大自然と触れ合う大切なかけがえのない、私の生命そのものだった。雨の日雪の日さえ我慢してもおつりが来る。というより、悪天候の次の日に好天だったりすると、それだけで一日幸せだったりする。真冬の雪のちらつくバイトは教えてくれた。熱いジンジャーティーの感動を。水筒からそそぐしょうがとはちみつ入りの紅茶は体に染み入るほど熱くうまかった。あんまりにもおいしかったので家に帰ってこたつに入りながら同じ物を作って飲んでみたけれどちっともうまくなかった。ここに私は人生の神秘を見出した。 なのに。なのに。新しいバイトの面接をいれてしまった。私は今のバイトと生活を換金するつもりなんだ。自己嫌悪。 …面接を入れた新しいバイトは、美術館の監視員や券売、もぎりの派遣。電話なんてするんじゃなかった。空の下で一日椅子に座っているのと建物のなかで座っているのとじゃずいぶん違う。外は気温の変化はきびしくても、開放感がなんともいえない。ましてや券売やもぎりになったらどうしよう。ああ、働くなんて。っていうか立ち仕事だったらどうしよう。ああ、ああ、ああ、、なんてもったいないんだろう。人生がもったいない。私のなけなしの寿命がどんどん換金されていく。売るほど持っている、というような表現があるけれど、私の人生は、寿命は、日々の暮らしは売るほどは無い。お金やお金で手に入る大半のものなんて、平日五日間ののんびり暮らしやバイト中に見上げる空の青さの変わりにはならない。恋人と過ごす週末にそれらを売るだけの価値はあるのだろうか。いや、あったとしても、私がほしいのは両方なのだ。 …とりあえず面接はやろう。あああああ、看板持ち→美術館監視員にうだつをあげようなんて情けない!情けない!情けない!いいじゃん!私、ただの私でいいじゃん!いっそのこと彼氏とのデートだってあきらめちゃえばいいじゃん!素でいいじゃん!そっちのが楽だ!絶対楽。だけど、でも、彼と一緒にいたいんだ!いっしょに時間を共有したいんだ!じゃれあっていたいんだああ!あわよくば結婚して主婦になりたいんだあ!家事大好きだもん!仕事嫌いだもん!…あっきらかに煩悩だな、、 今あるバイトと収入でなんとかしていこうって態度のがよっぽどスマートだ。ああ、ゆらゆらゆらゆら。 とりあえず面接は受けよう。登録するだけしてみよう。バイトもやってみよう。いやだったら病む前にやめよう。もしかしたら、ゴッホを見つめながら一日中椅子にすわって思索できるかもしれないのだし。貯金するのも悪くないし。彼と一緒に住める家に引っ越す資金がほしいし。彼と一日デートするのを諦めれば済むことだけども、ちょっぴり冒険してみるのもわるくない。なんていったって今のバイトっていう最高の保険もあるのだし。 |
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