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爺放談


 ■ 2008/10/18 (土) 波乱万丈12


試験室に配属されてしばらくたって上司から

「今、企画している宴会でお前の歓迎会もやるから必ず出席せなあかんで」

とのこと。

私は会社まで、通勤時間が片道2時間半、電車を三つ乗り継ぎ、最後にバスという過酷な通勤だけに、仕事が終われば直ぐに帰宅する毎日で、たまに先輩達が「今日帰りにどう?」とのお誘いも丁重に断って帰っていました。
そんな私の状況を知りつつも言って来たと言うことは、これは問答無用ということなので選択の余地はありません。

そして当日、仕事は終わり、試験室全員が予約の入れてあるお店へと楽しそうに移動中、私は「嫌な予感」を感じながら店へと行きました。

着いたお店は、私などは一生縁の無いような高級料亭で、その佇まいは古風で趣があり、人目で老舗だということが分かる風情のお店でした。
まずは上司から暖簾をくぐり、その後から皆がぞろぞろと入っていきます、中に入るとまた更に、お店の風格がこれ見よがしとそこらにちりばめられ、私はその時点で「嫌な予感」はどこかに行ってしまい、店の雰囲気に呑まれていったのです。

奥から和服に身を包んだ女将と思われる女性が

「いらっしゃいませ、何時も御贔屓に有難うございます」

すると上司が

「また来たよ」

私は「ひえ〜、このシチュエーション ドラマやないけ、しかもうちの上司、また来たよってこんなとこ何度も来てんのか?カッコ良過ぎるやんけ」とまぁこんなことを思いながら奥の座敷へと案内され、宴会はスタートするのでした。

初め上司の挨拶に始まり、仕事の労をねぎらい、そして私の新加入の話も終わり、最後に乾杯の掛け声と共に私の先輩方全員にお酌の行脚・・・

「どうや、仕事は慣れたか?」

「なんかわからへん事があったら俺に聞けや」

「俺の若い時は大変やってんぞ」

「仕事は先輩のやってるのを見て盗め」

「お前彼女おるんか?」

「お前も飲め」

などなど・・・「はいはい、わかりました、もうええでしょ、早く終わって帰りましょうよ」
私の頭はこの気持ちでいっぱいでした。
どこの世界でも一緒でしょうが新入社員は先輩達の酒の肴で、おまけにこの様な場所では奴隷なのです。

「新入り〜酒ないで〜、もってこ〜い」          「は〜い」

「新入り〜おまえなにしとんねん、酒つがんか〜い」    「は〜い」

「新入り〜お前歌うたえ〜」               「とほほ」

「もう勘弁してよ〜」と思っていた時。

上司が「え〜縁もたけなわではございますが」

「やった〜終わった〜これで帰れるぞ〜」

「ここで鳴り物を入れたいと思います」

「なに〜、終わりやないんか〜、何時になったら帰れるんや〜」

奥の襖がスーッと開いたら、綺麗所が小道具片手にササササササと数人入ってくるではありませんか。

「さーこれからが本番です、みなさん今宵は羽目を外して楽しみましょう」

「おー」

「わかりました、よござんす、どこまでもやっちゃいましょうよ」
私はもうやけになって、もうどうにでもして、と思うようになりました。

しかし、それにしても芸者遊びなどは初めてです、見るもの聞くもの全てが興味津々で私は芸者さんの弾く三味線や太鼓、それに合わせた踊りに見とれていました。
そしていよいよ本当の芸者遊びが始りました。

色々な遊びがありましたが、その中でも面白かったのは、座布団を三枚ぐらい重ねて敷き、それを川に見立て、それを挟んで芸者さんと向かい合い、股にビール瓶を挟んで落とさぬよう川を渡り、手を使わずに相手の股にうまく渡す、渡されたほうはまた同じ事を繰り返し、もとの人の股に渡す、途中落としたらその時点でゲーム終了といった遊びでした。
この遊びの見所は、ビール瓶が「ピー」に見立てており、手が使えないので相手の股に渡す時お互い腰をくねらせて渡すのでその光景が淫靡な連想をかもしだす所です、しかもビール瓶を芸者さんも股で受け止めるために前をはだける為、見え隠れする肌が妙にいやらしさを強調するのです。

最初は上司の挑戦、慣れているせいか見事にこなし、芸者さんの股に渡そうとする行為中に抱きつき、キスの応酬、芸者さんも慣れていますから見事にかわしていきます。

それからというもの、我も我もと次々と挑戦していき、最後まで落とさず出来たのは上司だけでした。

そしていよいよ私の番が回ってきたのです。

「おい、新入り、お前は裸でせなあかんねんぞ」

「え〜!マジですか?」

「当たり前やんけ!これは我が社の伝統や、みんなこれをして一人前になるんや」

「そんなんいうても、女子社員もおるんですよ」

「気にしたらあかへん、みんなやってきたんや、例外は認めへんで」

「パンツもですか?」

「まっ!パンツだけは許しといたるわ、お前の汚いのん見ても酒まず〜なるだけやからな」

私はやけくそでパンツ一丁となり、いざ出陣、芸者さんも新入りのうぶな私をもてあそび、瓶を渡している最中わざと抱きついてきて、顔中口紅の跡だらけ、おまけにその最中に先輩の一人がパンツをずり下げ、私の「ピー」は公衆の面前にさらけ出されたのです。
その後の事は筆跡に耐えれませんので省きますが、私は社会の怖さを痛感したと共に忘れていた悪い予感は的中し、長い夜は更けていくのでした。

それからというもの職場では長い間、女子社員の顔を見れなかったのは言うまでもありません・・・・





名前

内容

ホームレス まりあさん カワイイ方だった?過去形ですか?今もキュートですよ^^ (08/10/19 00:27)
まりあ ちょっと前までの新入社員の通過儀礼ですね(^_^;) それを通過した男性新入社員さんと部の方は結束力がつきますよね。私らはキャーといいつつ、仕事だと割り切ってましたけど(・ω・´) しばらく女子社員の顔を見れなかったなんてホームレスさんはカワイイ方だったのですね^^ もし、新入社員さんのそんな出来事をうわさにすれば、24歳迄に男性上司から首切りされる時代でしたからね;今はセクハラでアウトになりましたw (08/10/18 20:16)
ホームレス emuさん 芸者遊びは全裸がつきものですよ^^ (08/10/18 08:53)
emu 芸者遊び楽しそうですね。全裸はきついですけどw (08/10/18 08:42)


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