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爺放談


 ■ 2008/10/31 (金) 波乱万丈23


「○○!お前髪の毛洗ってるのか?なんかバリバリになって所々が固まっているぞ。
飲食を扱っているのだから身なりにもう少し気を使えよ!」

そうです。私はもうしばらくお風呂というものには無縁の生活をしているのですから当然髪の毛どころの話ではなく、身体全体・衣服などもはっきり言いまして半端じゃなく汚いのです。

この仕事では制服に着替えますので、衣服の汚れは気付かれませんが多分近くでは体臭も出ていたのではないでしょうか・・・

「あかん、身体をなんとかせないいかげん気付かれてしまう、やっぱり気合入れてトイレの水道で洗わなあかんな〜」

そして仕事が終わり、何時もの寝床へ帰りトイレの水道の蛇口をひねって見る・・・

「冷たい! こんなんでやったら凍え死ぬで!」

「でもここでしか洗われへんし・・・・」

私は意を決して、水が身体に掛からないよう髪の毛だけを水ですすいで洗いました。

「うわー!めちゃくちゃ寒い!最悪や!」

私の身体はいくら頭だけでも水浸しの状態は、夜の寒さで全身を凍えさすにも十分で、いくら毛布で身体を包んでも凍えた身体には焼け石に水でした。

「寒い!寒すぎる・・・・・」

私はあまりの寒さでじっとしてられず、公園内を全速力で走り回り、髪の毛が早く乾くのと運動をすることで寒さに対抗したのでした。

「早よかわけー!」

「ハーハー!だんだん暖かなって来よった!このやりかたが一番やな」

「でも、真冬のことを考えると身の毛がよだつわ」

「身体を拭くんは、恥ずかしいけど昼間にしかでけへんな〜」

私はこうして、この問題をなんとかクリヤーしていきました。

しかし、そんな毎日があり、しばらくしたある日のこと・・・・

「○○君!少し話が・・・・」

「はい、店長」

「君、ちょっと噂で聞いたのだが、うちの店の客の残飯を持ち帰っているって話は本当か?」

「えっ!」

「いやね、板長さんが、君が残飯を袋に詰めて持って帰っている、と言ってんだよ」

「・・・・・」

「それって本当なの?」

「は・・・はい・・・・」

「そうか、本当なのか・・」

「君にも事情があるのだろうけど、あまり多くは聞かないけど、そういった事はあまりよろしくないんだよ、他の従業員の手前もあるからさ、全員が食費の足しにしだしたら収拾がつかないんで止めて貰えるか?」

「すみません・・・でもどうしてもだめでしょうか?」

「店内では客の見えない所でやっているのは知っているし大目に見ているが、それを持って帰るまではねぇ」

「はぁ」

「しかし君もそんなにお金が無いのか?」

「・・・・・・」

「そんなホームレスの様な生活をしているわけではないだろ?」

「・・・・・・」

「まーなんにしてもそういうことで、よろしく頼むよ」

「はぁ・・・」

さーこれで大変になりました。

私の唯一の食料の確保が出来なくなったのです。

しかしそれよりも問題があり、私の職場内、特に一緒に仕事をしている板長さんとの関係が日増しに悪くなっていったのでした。

私は残飯を持って帰れなくなりましたので、仕事中に残飯を食べる頻度が前にも増して激しくなり、それが板長さんには当然ですが卑しく見え、ある時からはほとんど口も聞いては貰えず、仕事での言葉も日増しに強い口調になり、私の職場内での居場所は針のむしろとなって来たのです。

「○○君!」

「はい、店長」

「君も分かってはいると思うが、板長さんが君を辞めさせろといっているんだ」

「・・・・・・」

「君はどんな生活をしているんだね?」

「・・・・・・」

「私も何とか君には居て貰おうと思っていたんだけど、ここまで板長さんに嫌われては君も居辛いだろう?」

「・・・・・・」

「板長さんの言っていることは当たり前のことなんで、君にも分かってもらえると思うが辞めて貰うより仕方が無いよ?」

「店長!どうしてもダメですか?」

「板長さんも、もう君とは出来ないと言っているし・・・」

「店長!僕がここを辞めさせられたら死んでしまいます、お願いです、絶対無理ですか?」

「何を馬鹿なことを言っているの?とにかくもう仕様が無いよ」

「本当に死んでしまうんです」

「あんまり訳の分からないこと言わないで、それと、残りの給料は次の給料日に取りに来てください・・・・」

「あ・・・・ぁ・・・」


こうして私の一縷の望みであった仕事も無くなりました・・・・



これで、正真正銘、ホームレスとなったのです。


名前

内容

ホームレス ミネヤっち えっ!もうパクられた? やっぱり名作は早いですね〜まだ途中ですよ!^^ (08/11/01 05:04)
ホームレス まりあさん なにか?まりあさんも相当波乱万丈な人生を歩んで来られたのでは?そんなまりあさんに捧げましょう!私から貴方へ「愛の讃歌」!あなた〜の燃える手で〜わたし〜を抱きしめて〜♪♪♪^^えっ?今年?だだっだだだいじょうぶ?ですよ・・・^^ (08/11/01 05:01)
ホームレス fさん 大変嬉しいコメント本当に有難うございます。ご出身は九州ですか、九州は良いところですね^^私は良く大分、熊本に遊びに行きました。いやー、本当に良い所で、熊本の景色は日本にあまり無い風景で温泉もいっぱいあって、いつかここで暮らせるならと良く思っていました。あ〜!また行きたいな!^^ (08/11/01 04:54)
ホームレス ばばりんさん 小学館、講談社、文芸春秋、でお願いします。集英社だけはやだ!私を殴って目を覚まさせてください!^^ (08/11/01 04:49)
ミネヤ ホームレス大学生のパクリやな!じょーだんやでw (08/10/31 23:39)
まりあ 寒い時に体が濡れると、そこから凍傷にもなりますね。私も体験したことがあるので本当によくわかります。家、最愛の家族の一人など何もかも失って、両足に怪我を負い、ハイハイしながら凍て付く焼地を這いずり回った95年1月を思い出しました(人物が特定されそうなので詳しくはナイショ)。ホームレスさん、今年は大丈夫?(^_^;) (08/10/31 22:32)
 ほんまオモロイ!長文やけど口語主体やし、改行も多く、あっという間に読んでしまうw関西在住なので関西弁も親しみやすくグッド(出身は九州だがw)。本にすればマジ売れますわ。 (08/10/31 22:29)
ぱぱりん まだ一月たってないのにここまで書ききってる・・・凄い! ぜひ出版して印税生活しよう、そうしよう (08/10/31 21:53)
ホームレス 43歳さん ばっちり私だけ! (08/10/31 08:10)
43歳 その若さでホームレスっていなかったんじゃないか ホームレスの多くは60歳以上でしょう。 (08/10/31 07:51)
ホームレス 現在は平穏無事に?過ごしておりますよ^^ うん?どうかな?・・・^^ (08/10/31 07:15)
支援 それは安心しました。今はどんな生活をしているのでしょうか。 (08/10/31 06:54)
ホームレス 支援さん 初めてのコメント有難うございます、ご心配をおかけして誠にすみません、この日記は私の過去の話です。勘違いをさせて誠にすみません、もしよろしければこれからも見てやって下さい。本当にご心配をお掛けしてすいませんでした・・・ペコリ! (08/10/31 06:47)
支援 ネットカフェにはシャワーもあって無料だよ。ここは掲示板のURLは貼れないから掲示板にあるこのスレを見たらいいです。「ワーキングプア ホームレスを支援しよう。」 (08/10/31 06:38)
支援 マクドナルド、ネットカフェにも泊まる事はできないのですか。マクドナルドなら捨ててある紙コップを買ったふりして過ごせるのでは。公園の公衆トイレを占拠しても苦情がでて長く住めないと思います。p/1173744829/  (08/10/31 06:30)


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