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爺放談


 ■ 2013/09/16 (月) これも上から目線!


よく世間で言われがちな「外国へ行って視野を広げよう!」と言う様な言葉を誰でも一度は見たり聞いたりすることがあるだろう。

一見この言葉はごく自然でわりと当たり前な思考形態の一つで、この言葉にほとんどの人達は反論の余地はないように思う。

その理由の最たるものは、外国に行くことで自国の良さや悪い点などが見え、自己啓発に繋がるという趣旨だ。

私もこの意見には確かに同調するし異を唱えるつもりは毛頭ない。

確かに私自身、外国に行ってその趣旨通りの事を深く感じたし私の友人や知人にも力説したことが過去幾度とある。

ただ、私はこの説にはある一つの条件が加わってしまう。

その条件とは「経済的尺度がほぼ同等」と言う条件が入る。

要するに、経済的後進国にこれは当てはまりにくいと言うことだ。

なぜなら、海外に行く理由には仕事か旅行と言うことが大半な理由だろう、中には留学と言うこともあるがどちらにせよ、行く時の年齢がすでにある程度の年齢を経ているため、その人たちの思考は既にこの経済的に豊かな国の中で育まれた思考形態での価値観が深く存在するため客観性・道徳観・社会性が妙に歪められた視点でしか判断できなくなると思うからだ。

後進国、例えば中国に行ったとする。

中国に行くという時点で私たちはいくら最近GDPが日本を追い抜いたとはいえ中国の一般庶民の所得は日本には相当の開きがあると認識している時点でやはり経済的後進国と言うことをハッキリと自覚している。

その感覚で上海の様な経済特区を見たとき。

「凄い!日本は抜かれるかもしれない!」

「ここは日本よりもすごい!中国もすごいな!」

等のような感覚が大方で、しかし上海から離れて少し田舎の方に行ってみると。

「やはり中国はまだまだだな・・・」

「この様な環境でたくましいな・・・」

「インフラがまだまだ、中国政府はやはりおかしい・・・」

と思うことが多いだろう。

なぜそうなるかは当たり前だが日本基準で見るしまたそれが当然の思考経路だ。

しかしこれが同じ経済レベルの国、アメリカだと少し変わってくる。

マンハッタンを見れば。

「日本はまだまだだな!」

「素晴らしい高層ビル群だ!」

「世界一位の国はやはりすごいな!」

少し離れた田舎に行くと・・・・

「道が広い!」

「建築様式がやはり日本と違う!」

「自然が豊か!」

この違いが判るだろうか?

中国では根底が経済的視点が中心の感想を持つのに対し、アメリカでは経済的視点もあるがそれよりも文化の違いという視点が多く入り込み客観性を帯びた視点になる。


ある種の色眼鏡をかけた思考で物事を判断する事は往々にして見誤る。

その見誤った知識でいくら経験や知識を身に着けてもそれは自己啓発にはつながらない。

ただの経験をしたいというならそれは否定をしないが、それを自己啓発につなげることとするなら少なくとも同じ土俵で判断する事が重要なのだ。

特に国家間では経済的土俵は一番重要な事柄に位置する。

経済的上位の国から下位の国へ自己啓発を求める行為は、極論言えば。


健常者が障害者を見学するような行為に等しい。


文化が遅れた国へ行き、自分の国の良さを知る。

衛生面が行き届いていない国であえて食事をし、意外に食べれる!とか美味しいとか・・・

その国の人々が川で体を洗っている、排せつしている、それを見てさも「人間とはそもそもこれが自然なのだ!」とかを思う様な思考・・・

その様な人間が日本に戻った時、不潔にしている人間を見てどう思うのか?

駅でたむろしているホームレスたちを見てどう思うのか?


本当に自己啓発の為の経験や知識を身に着けたいなら自分と同等、いやそれ以上の立場にある者と対峙することに本当の意味がある。

それは何に対しても言えることだ。

スポーツでも勉強でも芸術でも、自分よりレベルの低い所では何の勉強にもならない、むしろそれどころか堕落してしまう。

精神性は別と考える人もいるがそれは綺麗事だ。

「衣食足りて礼節を知る」と言う諺にもあるように人間は生活もままならない状況下では精神性どころではない。

経済的豊かさが精神性の豊かさにも比例する。

ゆえに先進国の人々が後進国に何らかの影響を受けたとするなら。


それは利己的で偽善に満ちた思考であると思う。







名前

内容

まりあ ありがと。現実的なコメント いいね!★★★★☆ 共有しようとするから歪んでも新しいことが発見できていいんじゃない。男でも女でも^^ (13/09/21 09:34)
はいむるぶし 腐敗官僚さん 以前貴方は私に「いったい何者?」とおっしゃっていましたが、私こそ・・・いったい何者??? (13/09/19 20:02)
はいむるぶし 記入なしさん まさにおっしゃる通りです。アメリカと言う国は白人至上の国です。白人たちの権益を守るために移民政策を取り続けている・・・ (13/09/19 20:00)
はいむるぶし まりあっち 人の本質は世界各国どれも同じようなものです。しかし価値観や社会性は時間の経過とともに世界各国それぞれです。それを共有しようとすると歪が生じます。慈しみとは同じ価値観、社会性の中でこそ共有できるものです。 (13/09/19 19:56)
腐敗官僚 ミグ戦闘機の体験試乗ツアーや体験射撃ツアーで海外へよく行くんですが、そういった分野に関しては日本が世界一の発展途上国ですねw 貪欲に自己啓発の為の経験や知識を身に着けたいと思うが余り、体験試乗や体験射撃の範疇を大きく逸脱し、操縦訓練や射撃訓練に近いレクチャーを受けている今日この頃です。 (13/09/16 23:56)
記入なし アメリカでも南部のミシシッピーなどの黒人ゲットーなど見たら人種差別凄まじいと感じた。海外に行ったら危険だが最底辺層が住むところを見れば日本はマシかなと思うようなところもある。 (13/09/16 23:05)
まりあ ヒトの本質はどこの国のニンゲンであろうと、そんなにかわらないものだと私は思います。。ヒトはITじゃないし、汚いし、醜いし、不完全だし、欠陥だらけ、矛盾だらけね…。だけどそんなニンゲンが私は大好きだし、私はヒトを慈しんだりしちゃいます(*^_^*) (13/09/16 22:27)


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