綴っていく

明け。

たま〜に考える。
ユニットケアとか言うけどさ、どう取り繕ったって施設ってヤツは拘置所
みたいなもんだな、と。

誰にだって帰宅願望はある。
当然、俺にだってある。
入所者の殆どは、程度の違いはあれど認知症だ。
認知症の利用者を尊重したケア？尊厳？
こんな俺でもこんなテーマで悩むことがある。

昨夜は不穏不眠BARさんに悩まされた。
深夜に大声で歩き回り就寝中の利用者を叩き起こす。
なんでも、「今から家に帰る」そうだ。
認知全開で耳が遠いので、俺が何を言っても通じない。
更に興奮して猛りまくる。
歩行が安定しないので転倒のリスクも高い。
起こされた利用者はトイレに行きたがる。
夜勤中は一斉に鳴り出すコールを俺が捌いていくしかない。
不穏BARさんは朝になると眠る。
そして夜になるとまた騒ぎ出すのだ。
完全に昼夜逆転。ホントに迷惑。嫌な疲れだけが残った。

俺は仕事が終われば帰宅できる。
だが殆どの利用者は一生帰宅できない。

考え過ぎかもしれないけど、
俺は仕事を上がる時、絶対に利用者さんに「帰ります」と言わない。

帰宅してメシ食って、風呂入って速攻で寝る。
夕方に目が覚める。
俺も昼夜逆転。
俺も長生きしたら認知になるのだろうか。
せめて人間らしく人生を終わりたい。

俺が年寄りになる時代には、尊厳死、が認められていて欲しいと切に願う。