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ヒモと呼ばないで9年ぶりに帰ってきました。誰か助けて。 |
■ 2003/12/18 (木) 4日目 |
5:45 起床。
7:20 電車に乗る。 8:45 研修場所に到着 9:00 研修開始 11:45 昼休み 13:00 講義再開 18:00 終了・解散 19:40 帰宅 「エイッ!、ヤアァー!」 .…警棒の実技。 ギャラリーの女性二人のうち、一人は我慢するも耐えきれず吹き出す。 もう一人は頬杖を付きながら苦笑している。 前回の護身術の時と同様、役に立つ可能性の極めて低いものを、こんな恥ずかしい形でやらされることに大きなストレスを感じる。 でも、俺は少しだけ似たような武道を囓ってたことが役だったのか、なんとかごまかせた。 講師も「若いだけあって、なかなかいい」とのこと。 しかし、おじさん達のそれは、見ているこっちの顔が赤くなるくらい痛々しいものだった。 「警棒を元の位置から動かさない」 何度言われても、たったこれだけのことが出来ない。 しきりに説明に頷くも、一旦「始め」の号令がかかると、時代劇の十手持ちのような「ポーズ」をとってしまう。 その度に女性のみならず、他の研修生からの笑い声も大きくなる。 彼らは、もうごまかし笑いも出来ない。 それを何度繰り返しただろうか。 俺は笑えなかった。 全然、可笑しくはない。 ただ哀しい。 彼らの硬直した顔を見ろ。 自分がどう足掻いても出来ないことを、あらためて自分に、それも人前で突きつけられた時、どんな気持ちなのか知らないのか。 どうしようもないこと、そして、その責任を自分に帰することしか許されないことの恐ろしさを知らないのか。 俺は知ってる。 もう散々、嫌と言うほど味わってきた。 まさか、直接自分がそれに体験することもないまま、こんな形で見せつけられるとは。 俺もそのうちまたこんな経験するのだろうか。 おかげでその講義が終わってもしばらくは、何か気持ちがざらついたままだった。 それでもなんとか今日の全講義を終える。 気を取り直して、研修生同士で雑談しながら駅に向かって歩いているとき、口元に違和感を覚える。 何気なく触ってみると、なんと左右の頬と口元に、多数の「できもの」が出来ていた。 本当にひどい。 白く膿んでるものまであるよ。 あの講義を受ける直前にトイレで鏡を見たときには何もなかった。 むしろ、今朝は髭を剃らなかったから、剃る回数を減らすとやはり肌の痛み方は違うんだなぁ、と思うくらいきれいなはずだったのに。 やっぱり「大丈夫なふり」なんかしたって無駄だ。 身体がそれを、あっさり暴いてしまう。 おじさんだけじゃない、俺もあの状況に適応できてなかったんだ。 まぁでも、このまま、このまま。 いくら環境にアジャストメントできなくとも、今はこの流木を無頼を気取って手放すようなことはせず、潮の向くまま流されるしかないんだ。 たとえ、どんな気持ちになっても、それと闘わず、その気持ちのまま、ただ動こう。 嫌な気持ちでも、それと闘わず、そのまま行くんだ。 自分の気持ちを自分でコントロールしようと思うことが、すでに失敗だ。 自分と闘うべき「自分」なんて、俺はもう持っていてもしょうがないじゃない。 でも、人と闘って勝てないことを公言するや否や「それならまず自分に勝て」って言い出す人って必ずいるんだ。 ほら、見てくれよ、この顔。 ちょっと自分と闘ってみたらこの様だよ。 それとも全身がブツブツだらけになるまで許されないのか。 ラストサムライ、カッコイイけど俺には無理。 凄く憧れるけど、勘違いしたチンピラになってしまうのが落ちだ。 「人生は戦いだ」なんて言えるのは、勝てるチャンスを持っている人だけだ。 自分が勝者になりたいからって、既に負けている人間を探すな。 そう思える人が俺を探しあてるのは必然かも知れないけど、俺だって他人を勝者に持ち上げるために闘うなんて嫌だ。 ターミネーターになりたいなら、まずランボーとでも闘ってみろ。 でもそんな脚本じゃ、「主夫」は出演を承諾しない。 エキストラでもお断りだ。 身体が闘いを拒否してるんだ。 しょうがないだろ。 |
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