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ヒモと呼ばないで

9年ぶりに帰ってきました。誰か助けて。

 ■ 2004/01/19 (月) よくあること


職場についてすぐ、偉い人のご機嫌ナナメに振り回され、普通なら謝ることなんてあり得ない事で謝る羽目に。
おまけに、隊長もそれに巻き込む形になってしまい、俺じゃなく、彼が激しく叱咤される結果になってしまった。

しかし、彼はあっさりそれを受け入れ(たように思え)、こう言った。

「こういったことはよくあります。そんなに気にしないでいいから。」

「さすが」という気持ちと、ますます申し訳ないという気持ちが交互に寄せては返しているうちに、落ち込みかけた気持ちが、徐々に軽くなっていく。
そして、一瞬それが「ゼロ」になった瞬間、それは「怒り」に変貌する。

○○から連絡がきたから、指示通りそれを伝えただけじゃん。
大体さぁ、それを受けた段階で……。

…でも、もうやめよう。
当人に直接向かいもせず、当人がいなくなってから陰で怒るなんて、被害妄想的に落ち込むことと同じくらい無益で、自分を小さくするだけだ。

いい手本がいるじゃないか。

「こういうことはよくある。気にすることはない。」

そうだ。
その通り。

偉い人の気分に正確に対応するマニュアルなんかそもそもあり得ないんだから、対策なんか立てられない。
恐らく今日の出来事から「学んでも」、次回この偉い人は、全く別の対応をするに違いない。
その時の気分次第で。

だから、これでいい。
そのまま受け入れよう。

生活に大事なことは、慣れることや学ぶことだけじゃない。
選ぶことも大事だ。

「気にすることはない。」

今日、俺はこれを選ぶ。
この選択で間違いはない。


そして、そんな立ち上がりで始まるような日は、今まで経験のない事柄をいっぺんに体験するものだ。

・冷凍食品の温度センサーが発報、駆けつけてメンテナンス部に対応を依頼→被害無し。
・客の不審な動きを従業員が発見→対応→巡回→被害無し。
・閉店後、喫煙をしていた従業員に灰缶の片づけを頼むも、あっさりかわされ、忙しい時に一仕事増える→その後別の従業員が代わりに処理→問題なし。
・駐車場のセンサーBOXの施錠、初体験→問題なし。
・某テナントのガス大元栓の再確認→不安払拭
・某テナントの調理機器の操作方法と、そのリスクを再確認→不安払拭

ほら、大丈夫だ。
何故なら「こんなことはよくある」から。

初めての不安や、上手くできない情けなさを感じながら、ただやるべき事をこなす。
それでいい。

っていうか、それだけでいいんだ。

そして、そんな一日が終わり、さぁ帰ろう、と表に出るや否や、今日のパートナーのAさんと、従業員のDさんと話が盛り上がり、なんとこの寒い一月の中旬に午後11時から午前0時15分まで、外で立ち話をしてしまう。

不思議と、早く帰りたいという気持ちは起きず。
むしろ、人と取り留めのない話をするのを「懐かしい」とすら感じる。
そうだ、懐かしい。
そう思うほど、俺はそういう時間を意識して排除してきたんだ。

これもそのうち「よくあること」になりうるのだろうか。

もし本当にそうなるとしたら、それはそれで少し恐い気もするが、きっと大丈夫だろう。

そんなこと「気にしなくていい」ことなんだ。
多分。

「よくあること。気にしなくていい。」

今日、何回この言葉を口の中でつぶやいただろうか。

そんなことも「気にしなくていい」んだろうけど。





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