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ヒモと呼ばないで

9年ぶりに帰ってきました。誰か助けて。

 ■ 2004/01/26 (月) マウンド


職場に着いてすぐ、いつものようにロッカーを開けると、そこに「厚生年金基金加入員証」「雇用保険被保険者証」が目の高さに磁石で貼り付けてあった。

本当なら16日に届いていたはずらしいが、手違いがあって今日になって俺の手元に届くことに。
すぐに、受領書にハンコを押して、社内メールで返信する。

これで、書類関係は一通り完了したようだ。

仕事が終わった後、またしても寒空の中、男3人で、会社/仕事の話をする。
まだ俺にはよく分からない話もあるが、特に嫌だということもないのが自分でも不思議だ。
さすがに寒いのだけは勘弁して欲しいが。

30分も話しただろうか。
冷えた体で家路を急ぐ途中、不意に、前にここに書いた「ショーバン」の事を再度思い出す。

あの時も、ちゃんとした「チーム」に入って、揃いの「ユニフォーム」をプロ野球選手のように着て「公式試合」を闘う…ことには確かに嬉しさや楽しさがあったように思う。
ドキドキしたり、恐かったり、悔しかったりもしたが、いいピッチングをしたり、その試合に「勝った」ときは最高に嬉しかったのは確かだ。

…でも「ショーバン」を捕る楽しさは失った。
とうとう最後まで「基本から外れる」ことを恐れたまま。

それに、そうだ。
「ドキドキ」や勝利の嬉しさは、ピッチャーとして、投げることそのものや、そこでの勝負を楽しめるようになってからのことだ。

…このままだと俺は、「専業主夫」という今の自分にとって最適な日常を確実に失ってしまうだろう。
これからますます、「チームワーク」重視で、取引先の会社のためはもとより、先輩/同僚の「迷惑にならないように」働き、その最上級の結果が「それだけ」の世界に入り込んでいくんだろうから。

「ショーバン」どころか、そのうち凡フライも捕れなくなるだろう。

…あの時も、俺は「いいショートストップ」になりたかったんだ。
他のポジションなど、その時は考えもしなかった。
でも、それが上手くいかなくて、ピッチャーになった。

…よく考えてみると、あの時も「棚ぼた」じゃなかったのかも。
心のどこかで、ピッチャーになりたかったんだ。
どこかで、というより「心の底で」と言ったほうが正確かも。

今の俺は「いい専業主夫」になりたい。
働きだした後も変わらない。
でも、それが叶わない今、次ぎの「マウンド」が思い浮かばない。

あの時もそうだったんだろうか。
「投げてみろ」と言われて初めて、投げる楽しさに気づいたんだろうか。

わからない。
心の底をさらってみても、今はわからないよ。

主夫でいさせろ。
それ以上を望むなら、次の「マウンド」を用意しろ。

その前にそれは何なんだ。
俺にはわからない。

まさか「お義父さんみたいになること」なんて言うんじゃないだろうか。

そんなの俺のマウンドじゃない。
投げてみて、って言われてもお断りだ。



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