リアル無職ドキュメント

無職には痛い、ご祝儀を握り締め、たいして旨くも無い料理を味わい、ありがちな演出を見せられ、帰った。
まあ式自体はそれくらいどうでもよくて、久方ぶりの大学時代の友人との再開がメインイベントのようなものだった。
もう10年以上の付き合いになるが、俺以外はみな家庭持ちになってしまい、
こういうときくらいしか集まらなくなってしまった。

古い付き合いはいいもので。
ずっと会ってないのに、毎日でも顔を合わせてるかのように自然に時間が過ぎていく。
話の中心は自ずと、近況報告になったりはするが。
やれ子供が出来た、やれ車を買った、昇進した云々・・・。

「おまえ、最近なにやってんの？」

『ああ、まあ、相変わらずぼちぼちやってるよ、ぼちぼち』

それ以上のことは言わなかった。