夢見心地-学生が無職になってから-

ようやく電話が鳴った。

先日受けた企業からだ。

２〜３コールくらい置いてから高い声のトーンを準備して肝心な第一声。

「はいっ！」

声、震えてない事に安心。

「ニー灰さんでしょうか？△×(企業名)です。」

「はい！」

「先日の面接の結果ですけど･･･」

正直、この企業には自信があった。ｗｋｔｋ


「申し訳ありませんが別の方に決まりまして」




そこから先も申し訳ないとか、またの機会とか、履歴書がどうとか喋ってたけど

もう電話切りたかった。

これ以上相手と話しても無意味だし。履歴書だって別に返さなくても良いよ。

再利用した写真ももうくたびれてきただろうし。

でも、あからさまに落ち込んだとかいう素振りは見せたく(聞かせたく、かな)なかったから

最初の声のトーンで答え続けた。




これで落ちた企業は6社目だ。



私は、今年の三月に大学を卒業した。

しかし、実家へのUターン就職ということで大した知識もなく

ついでに言えば当時は就職する気力もなかったため、

皆より何十歩と遅い就活をスタートさせたのが

卒業式も終わり下宿先から実家へ戻ってきた三月下旬だ。

既に新卒ではなく中途採用の扱いになる現状。

職務経験がないというのは中途採用には厳しい問題である。


最初の頃は面接へ行くのに緊張し、受け答えではしどろもどろになったり、質問の意図と違う事を答えたりもしていたと思う。

履歴書も一社につき５枚ほどは書き直していた。

それにも徐々に慣れてきた今は、

すぐに落とされ続けてきた書類選考も通れるようになってき、面接でもハキハキと喋れるようになってきた･･･つもりだ。



ただ、先が見えない。



親や周囲の人は「焦って決めなくても良い」と言ってくれる。

この言葉は救いでもあるが逆に痛くもある。

早く決めるに越した事はないだろうし、この言葉を100％言葉のままの意味で受け取れば良いという問題でもないだろう。

所詮、慰め。建て前。

そして何より高い学費や生活費を払ってもらって大学に通わせてもらったのにそれを無駄にしたようで･･･。

「就職先なんてすぐに見つかるだろう」と高をくくっていた自分が情けなくて格好悪くて仕方がない。

いっそ、そんな自分を罵って、ビンタの一発でもお見舞いしてくれれば

思いっきり涙を流す事が出来て楽なのに。




今日はハローワークに行ってくる。

返送されてくる履歴書を待ちながら。




最後に、こんな鬱日記読んでくれてありがとう。

就職が決まるまで、友人や親なんかに漏らしたくない弱音をここに綴ろうと思う。