爺放談

自分の好きな事をやりたいことを仕事にした人は理想的な人生だ・・・・・


良くこういう事を言う人たちが居ます。

私自身、漫画家という自分のやりたいことで食べて生きたいと思い、それを目指した事もありました。

結局は願いむなしく、その後は全く自分の意とは関係の無い事で食べて行っておりますが・・・・・

私は以前から良く思うことがあります。

自分のやりたいこと、好きな事って本当にはなんだろうか？と思うのです。

そんな事を思う私も漫画家を目ざしていた当時はそんな疑問を持っては居ません、猪突猛進でそれになる為に時間を費やしていたのですが、その夢が潰えた時からしばらくして、自分の意にそぐわない仕事をし出した時、周りの人達が、友人達が、メディアから、一度の人生なのだから自分のやりたいことを目指そう・・・・・・・と言うようなフレーズを聞くたびに何か違和感を持つようになったのです。

自分に置き換えてみた場合、私がどうして漫画家を目指したかと言うと、それは単純に小さい時から映画や漫画が好きだったからで、まだ小さい私はほかの分野にまで視野を広げれるほど知識や経験も無く、ただ手に取りやすい位置だったこと、メディアの影響などで選んでいるに過ぎません。

そんな理由で目指している方たちも私と同様多いと思います。

こんな動機で本当にやりたい事と言えるのでしょうか？

少し前にＮＨＫの教育のほうで「しゃべり場」という番組があり、私は好んでその番組を見ていました。

１０代を中心にし、ある一つのテーマに沿って議論を交し合うこの番組は実に楽しく、日本の全ての地方から集まった１０代の意見は地方色も出た視点が更に面白くした番組でした。

その番組の中でも「やりたいことを目指す」と言うような意見は頻繁に出てきます。

しかしそのやりたい事の大半は、音楽　漫画家　タレント　プロスポーツ選手・・・・

その動機は大抵私と変わらぬものです。

１０代ぐらいにそれを目覚めた人も居るでしょうが多分きっかけはもっと小さい頃でしょう。

そんな時分に大人ほどの選択の余地はありません、ましてやサラリーマンになりたいって言ったらその家庭環境に問題が有るのでは？と疑ってしまいそうです。

世の中の大半はその程度の動機で「やりたいこと」としているように思います。

ですからその「やりたいこと」のレパートリーが異常に少ないように思います。

本当にやりたい事の選択肢がこんなに少なく偏ることはどう見てもおかしいでしょう。

大半は音楽を筆頭に、漫画　タレント　・・・・・・

「わたしは木こりになりたい！」なんて見ると、あ〜この人は本気なんだな〜と実に思ってしまいます。


結論として私が思うのは、「本当に好きな事、やりたい事」と言うのを探し出すことは非常に困難を極め、やもすると一生かけて探しても見つけられない物かも知れない。

と言う事です。


ですから私は今も本当にやりたい事、好きな事が分かりません。

夢は以前にも書いたようにありますが、自分だけの物として本当にやりたい事、好きな事と言うのはこれからも探し続けるのでしょう。


「あまり小難しく考える必要は無い、どんな動機でもやりたい事はやりたいのだからそれで良いのでは？」

そういう意見が出てくるように思います。

私自身もそうでしたから非常に分かります。

しかし、メディアなどから出てくる人生に対しての「やりがい」や「生き方」の指南として出てくる安易な「やりたいことや好きな事を見つけよう！」見たいな物に、違和感を覚えてしまうのです・・・・・・・