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能力主義の導入は、日本崩壊の序曲なのか?

カテゴリ:生活
 バブルの崩壊とグローバリズムという二つの大きな波に
押し流され、日本企業は終身雇用と年功序列を捨て、個人
の能力主義を導入した。

 この時、その人が会社にとって必要かどうかという「要
・不要の選別のメカニズム」が、私たちの社会で相当強く
作動した印象を持つ。バブルのツケをどう支払っていくか
というなかで、直接的にはリストラという動きで現れた。

 組織に忠誠を尽くせば安定につながるという価値観が崩
壊しただけでなく、その頃に使われるようになった自己責
任や自己決定という言葉に従い、不要の側に選別された人
たちは追い込まれながらも、それを自分の責任として受け
止めざるを得なかった。

 要の側に選別された人でもいつ不要とされるか分からな
いという不安を抱え、脇を締めて体をこわ張らせていなけ
れば斜面をずり落ちてしまう緊張度の高い社会になった。

 緊張度の高い社会は自分のことで精いっぱいで他人に構
ってはいられない。自己責任の考え方もある。さらに自分
が他人に救いの手を差し伸べなかった分、自分が苦しくな
った時には助けてほしいと声を上げられないという悪循環
が起きている。今は甘えを全否定する社会なのだ。

 だが、「もういいではないか」と誰かが声を上げなけれ
ばならない。私は「分かち合い」の価値観を大切にし、複
雑に絡み合った社会システムをひとつずつほぐしていく努
力を続けることが重要だと思う。

社会評論家 芹沢俊介(せりざわ・しゅんすけ)
2005年7月16日 土曜日 朝日新聞・朝刊


投稿者 : 記入なし 日時 : 05/08/18 14:06
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