縦並び社会・格差の現場から:派遣労働の闇
午前8時30分、寒風吹きすさぶ東京湾。
記者(34)は倉庫群の一角で作業を始めた。前日、履歴書の不要な大手派遣会社に登録した。派遣労働の実態を見るため、あえて新聞記者とは名乗らなかった。「軽作業」を申し込んだが、斡旋(あっせん)されたのはコンテナの荷降ろし。現場の20、30代の男性約20人は複数の派遣会社からの寄せ集めだ。
コメの粉末が入った25キロのナイロン袋が肩に食い込む。おかきの原料らしい。2人ひと組で600袋、さらに30キロの台湾産生米を600袋。正午から1時間の休憩は誰もが昼食もそこそこに長いすで寝る。
午後5時30分終了。握力はない。給料の受け取りに必要な「作業確認票」に記入してもらうと、派遣元の社名の部分を切り離すよう指示される。「別の派遣会社からの派遣だから」。別会社との契約だと初めて知る。同僚に耳打ちされた。「ピンはねされてるよ」
日当6700円。翌日、同じ現場に派遣された。次の日も−−。
投稿者 : 記入なし 日時 : 06/01/01 21:48