太平洋戦争の異常さは金額だけではない。その財務戦略もまるで異なっている。
日清・日露戦争の戦費は基本的に国庫からの支出や国債の市中消化によって賄われた。
特に日露戦争の戦費調達については、英国のシティと米国のウォール街にある投資銀行のネットワークがフル活用された。
当時の資金調達の責任者であった高橋是清(のち蔵相・首相、2.26事件で暗殺)は、海外投資家に対して見事なプレゼンを行い、巨額の起債に成功している。
一方、太平洋戦争は費用があまりにも巨額であり、国債を市中で消化させることは到底不可能であった。
当時の覇権国家である英国と米国を敵に回しており、グローバル市場で資金を調達することもままならない。
結局、日本は戦費のほとんどを日銀の国債直接引き受けで賄った。
つまり日銀が輪転機を回し続けるという政策であり、当然のことながら、この施策は円の価値を激しく毀損させる。
結局、日本は終戦をきっかけに物価が約180倍に上昇するという準ハイパーインフレを起こし、経済は完全に破たん。
最終的には財産税によって国民の預金を根こそぎ奪う形で帳尻を合わせる結果となった。
日露戦争と太平洋戦争の顛末を比較すると、戦争というものが経済や金融と不可分であることがよく分かる。
日露戦争では、日英同盟を背景に英国から最新鋭兵器を自由に調達することができた。
資金面においても、シティとウォール街の協力を取り付けることに成功している。
no.8 記入なし (17/10/18 11:50)
no.8さんへ
窪田蔵郎と言う人の著作も読んでみてください。前漢が匈奴に喧嘩を売った理由、実は・・・・・・・窪田先生も確信はないようでしたが。
戦争が醜いというより、いくさのなかで人間社会の醜さが剥きだされてしまうのでしょうなぁ。ゆえに"伝説"が必要とされたんでしょ。あなた自身は普通のこと言っているつもりでしょうが、大半の読者にとっては斬新(人によっては猛烈に不快)でしょうよ。
no.10 記入なし (17/10/20 23:18)