Transparent lie

簡単に君はゆうけど

カーテンの間から差し込む朝日や
肺が冷えるような朝の空気や
重力に逆らえないこの体や
うずくように痛むこの頭痛や
まったく思い通りにならないこの世界に絶望して、

君が自ら命を絶ったとしよう。

涙を流す人は何人いるんだろう？
悲しむ人は何人いる？
困る人は？

君の存在がなくなったことで、死んでしまう人はいる？

多分。いないよ。

君がいなくても君がいなくなっても、世界は十分に回っていくんだ。

君がいなくても
カーテンの間から朝日は差し込むし、
季節は巡るし、地球の重力は変わらないし信号は赤から青に変わる。

僕は、生き続けなきゃいけないから。
今までどおりの生活を今までどおり暮らしていくしかないんだ。

ただ、時々君の事を思い出して、切なく悲しく辛い気持ちになる。
ただそれだけのこと。ただそれだけのことだ。

一生ね。

思い出すたび僕は悩むんだ
じくじく疼く傷。小さいけど深くて消えない傷。
楽しいときも、うれしい時も、不意によぎった瞬間に
どうして、声をかけてあげられなかったんだろう
どうして、引き止めなかったんだろう
どうして、あの日「バイバイ」じゃなくて「さよなら」と言った
　　　　　　　　　　君の気持ちに気づいてあげられなかったんだろう。　　とかね。


君にそんな権利はないよ。
責任も取れないくせに、治療費もくれないくせに
傷だけつけるつもりですか？

とごちゃごちゃ言いながら、
「君の言葉か好きだからもっと聞いていたいんだ」とか
「君がそこにいてくれることが実はちょっとうれしい」とか
「口もほとんど利いたことなくても勝手に友達だと思ってる」とか

そんなことは死んでも言えないっつーそーゆーひとりごと。