Transparent lie

あんなふうに、間に合えばいい。
大切な人がいなくなっていまう前に、
どんなに遠くにいたって、

駆け付けて、捕まえて、声をかけて


いかないでくれって。
どうかそばにいてくれって。
なんでもするから死なないでくれって。


言えたらどんなにいいだろう。

現実はあんなに近くに居ても、伝えることすらできなかった。
飲み込まれた言葉達は、
まるで溶けない雪のように人の心に積もっていって心を凍りつかしていく。

凍った心は、感覚なんて忘れさせてくれるけど
時々、ふいに思い出すと
胸が痛くなるんだ。

かじかんだ手を火にかざした時にちょっと似てる。
痺れて痒くて・・・じりじり痛い。


キミのことが好きだったよ。わりと。

キミが僕を知らないように
僕もキミのことなんかそう大して知りもしないけど。
でも知りたいと思ったんだ
僕はキミに嘘ばかりついていたけど、
これは、本当の話。

まぁもう今更、
伝える気もないし、・・・・伝えることもできないけど。