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PIANO・BAR ハナレイ・ベイ |
■ 2008/01/09 (水) NHK 明智探偵事務所 |
昭和47(1972)年、札幌冬季及びミュンヘン五輪の年、NHKが「明智探偵事務所」というTVドラマを放映したことを覚えておいでだろうか。月曜の夜8時から1時間、同年4月3日から10月9日まで、全25回の放送であった。当初は、1年間の予定であったようだが、恐らく視聴率が芳しくなかったためであろう、半年で打ち切りとなった。まあ、それも止むを得まいという作風のドラマではあった。
主演は、明智を夏木陽介、小林(青年である)を斎穏寺忠雄、その他の常連はオリジナルでタカシ(萩原健一)、ドンキー(佐藤蛾次郎)、詩人(高橋長英)、野々村一平(米倉斉加年)、ジロー(六人部健市)、吉川文代(田村奈巳)、ユッコ(麻田ルミ)というメンバー。舞台は大阪(製作が大阪局であるための都合上か)、スナック〈チコ〉が事務所代わり。 鋭敏な人なら、この辺りで既に危惧を覚えるに違いない。これは、一寸、違うのではないか。 その通り。一寸どころか、かなり違う。各回の題名を列挙してみよう。「すりかえ大作戦」「親なし犬」「人殺し夢の酔醒め」「望郷怨歌」「三文王子の暗殺ロック」「花を枯らしたのは誰」「走れ二十面相」「塔は見ていた」等々。どこかアングラ文化の残滓が感じられる。そういえば、タイトル・バックには横尾忠則の絵(講談社版全集の挿絵)が使われていたのではなかったか。 脚本は、中島貞夫と福田善之。原作を大胆にアレンジし、オリジナル脚本の回もあった。 NHKの例によって映像が残されておらず、記憶に頼るしかないのだが、(全話見たかどうかさえ、定かでない)第1話の「すりかえ大作戦」は「黒蜥蜴」が原作で、倍賞美津子が演じた。かなり忠実なストーリーで、楽しめた記憶がある。しかし、「怪人二十面相」が原作という第2話「親なし犬」は、怪人のかけらもない摩訶不思議なお話しで、今、改めてあらすじを読んでも、まるで理解も思い出せもしない。 子供心には内容がシュール過ぎてショックを受けていたのを記憶している。 たとえば最終回、ストーリーの続きがいつのまにか現実のスタジオの扉を夏木さんが開いて、街に歩き出してゆくシーンが印象的。GSを卒業し、役者として歩み始めたばかりのショーケンの演技も見物。是非是非DVD化を。 |
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