爺放談

私は将棋が好きで良く日曜のＮＨＫでやっている将棋番組を楽しみに見ております。

その将棋の世界で今は引退をしていますが私の大好きな棋士「米長邦夫」

この棋士は大変ユーモアが有り、しかも大変な努力家で有ったのですが若い内はなかなか芽が出ず将棋界では晩成型で、その後は将棋界の主なタイトルを次々に取り、一時期は世界最高の棋士と称されるほどでした。

しかしそんな米長邦夫も棋士の最高峰であるタイトル「名人」にはいつも縁が無く、幾度と無くこの「名人」に挑戦するのですが何故か何時も敗れるのです。

そんな中、棋界もどんどん若手が台頭してきます。

米長は焦りました、棋界も年を重ねることは棋力も落ちていくことを良く知っています。

しかし努力の人、米長は棋界では最年長記録の４９歳で念願の「名人」のタイトルを手にします。

その名人戦に挑む前、米長はもう既に棋界では重鎮的存在であったのをあえて止め、自分の弟子や若手に将棋を教えてもらい、今までの自分を変えるために様々なことを取り入れ、そうした事により初の名人となったのです。

米長邦夫は晩年こんな事を言っていました。

最近台頭著しい棋士「羽生善治」についてでした。

「彼は私が何十年とかけて取った名人をいとも簡単に取ってしまうのですよ」

「しかもそれだけでなく、あれよあれよと７冠ですよ！」

「私は彼がどの様な努力をしているのかが不思議で私とどう違うのかが知りたくて教えを乞うたのですよ！」

「そして彼の将棋に対しての取り組み方や、考え方、そのほか色々と彼を見てきましたら驚くことに気付いたのです。」

「なんとですね、彼は努力をしていないことが分かったのです！」

「その理由はね、彼は努力ではなく遊んでいるのですよ！」

「彼にとっては将棋は遊びで、だからそれを研究する事やトーナメントに出ることは全て遊びの範囲なのです。」

「私は古い人間ですから努力は辛いもので、出来るものなら止めたいと何時も思っていました。」

「しかし彼は私が思う努力は全て遊びで、努力を努力と思わず常に遊んでいるようなもので楽しみながらやっているのです。」

「それを知った時、私はこれが天才たる所以だと思ったのです。」

「私も一時期天才と言われた時期もありましたが、彼と出会って、それは全く違うことに気付いたのです。」

「私達古い人間は努力は辛いもので、その辛さを乗り越えることが努力の意味だと理解しているのですが、本当の天才はそこには無いのです。」

「それを彼を通して知った時、簡単に７冠を取れた意味が分かりました。」

「彼は私が出会った本当の天才です・・・・・」


この米長邦夫の言葉は本当に興味深い言葉です。

「天才は努力をしない！」

本当にそうかもしれません、私も以前漫画家を目指していた時、人物を書いている時はそうでもないのですが背景を書くことが辛く、面倒でどうしても筆が進まなくなるのです。

世に出る人達は、そんなあらゆる面倒なことが普通の人よりもまだ楽しみを持ち、その中でも天才と言われる人達はその面倒なことも全てが楽しいのでしょう。

天才と凡才の違いはその意味では「どれだけそのことが好きか？」に掛かってくるのではないでしょうか？

羽生にしろ、イチローにしろ、ノーベル賞を取る人達も、全ては多分その事をやっていることが誰よりも大好きで、だからそれにまつわる努力も全ては遊ぶような感覚なのでしょう。

そこまで没頭できることがあることに羨ましくも感じますが、所詮私のような凡人には何時までたっても分からないと思いますが・・・・・・


結論として！



「努力を楽しめるように努力をしましょう！」



・・・・・・・は？＾＾