日記HOME | TOP タイトル一覧 月別 |
ヒモと呼ばないで9年ぶりに帰ってきました。誰か助けて。 |
■ 2003/12/01 (月) 面接 |
妻の休日。
妻「じゃ、行くから」 俺「えっ、どこに」 妻「だから、お母さんと国分寺。お母さんが行きたいって言うから一緒に行くの。昨日言ったでしょ」 俺「そうだっけ(聞いてない)」 こんな目覚めありか。 まだ眠そうにバイバイする娘のおでこに無理矢理チューして、二人と別れる。 面接に行く前に、少しでも一緒に遊ぼうと思って(でかい卓球のラケットのような)バットとボールのセットを買っておいたことを、一人残されてから思い出す。 それを無印で数年前に買った型落ちの3WAYバックから取り出し、代わりに昨日作った履歴書をしまい込む。 最近はまってるココアとトーストの食事をとり、ユニクロで買って1回しか着てない¥5900くらいの起毛コットンのジャケットに¥100ショップCANDOで買ったネクタイを合わせて、面接場所へ向かう。 家を出てから一箇所だけ曲がり、雨でぬかるんだ遊歩道を真っ直ぐ20分も歩くと今日の面接場所のスーパーだ。 裏の従業員入口で受け付けると、その窓口のすぐ裏が面接場所の「警備室」。 馴染みと思しき出入りの業者やパートらしき女性が、俺を受け付けた時とは別人のような甲高い声で挨拶する警備員のチェックを受け、続々と中に通されるのを横目で見る。 向こうも横目でこちらをチラチラ窺っているのがわかる。 この職場特有の空気に触れた気がして、急に緊張感が高まってくる。 しばらくして、モノマネのコージー富田(?)によく似た男性が来て、いきなり「志願書」を書けという。 面倒でたまらなかったが、履歴書を見ながら全く同じ事をキーボード慣れした下手な字で書いた。 それが済むと、彼は目を合わせないまま「慇懃無礼」の見本のような挨拶をし、「杓子定規」そのものの会社説明を始める。 俺の他にもう一人、50代くらいの男性が面接に来ていたが、横に置いてある履歴書と業務経歴書がすごい。 内容は、大東文化大学卒…くらいしか見えなかったが、全部で5枚くらいある。 何をそんなに書くことがあるんだろう、凄いな。 こんな人と高卒の俺じゃ、勝負にならないよ。 またダメか(それもいいけど)。 「じゃぁ、これやってもらいます」。 ぼーっとしてるといきなり左に3桁の数字があり、横に数字を書き足して1000にしろという、B5くらいの紙を目の前に置かれる。 「はい、始め。時間は10分。」 「えっ、何これ…」 思考停止したまま、一応10分以内に全部終える。 終わったと思ったら、「じゃ、次これ」。 今度は「性格判断GY(YG?YC?CY?)法」(?)だとか書いてある。 「一人で考え込む方だ」的な設問に「はい」「いいえ」「どちらとも言えない」をマークする。 150問くらいあっただろうか。 その間、もう一人は個別面接で奥へ。 彼が戻ってきて、交代。 個別に話をすると面接官の男性は、気さくそうな、それでいて出来る感じのするすごく好感の持てる男性だったが、話の途中彼の表情がいきなり曇る。 それは「前職チェック」。 「来たか…」と思いきや、曇った顔はすぐに晴れ、彼は自分を納得させるように頷きながら「でもここに連絡はつきますよね」と聞いてくる。 俺が「その家族ならいるようですが、何分個人事務所ですし、その本人が亡くなっていますので…」と言いかけるや否や、「じゃぁいいです。ひょっとしたら前の○○(警備会社)さんを調べるかも知れませんが」と言って話を遮った。 …ここで今日の合否は決まった。 あの会社を辞めたのは随分前のことだが、退職時にあまりに酷い扱いされたので、最終的には弁護士を仲介させてやっと1ヶ月分の給与と失業手当の手続きをさせて揉めに揉めたことを忘れる訳がない。 …ジャケットもネクタイも、雨の中のプレーントゥも無駄だった。 だが、例のごとくあまりショックもない。 どうせ俺の方が早く帰ってきたんだし、「行ってきた」ということにして、家にいればよかったかな、と思うくらい。 今はこの「行ってきた」ことが防衛システムなんだから。 「仕事決める」ことじゃなくて、「決めようと思って活動してる」ことがそれなんだ。 だからこれでいい。 これが今の俺のベストなんだから。 明日は天気回復するだろうか。 慣れない革靴なんかより、やっぱりいつものトレッキングシューズの方がいい。 変な視線が交差するガラス張りの警備室なんかより、何もない里山の方がいい。 歩くたび「コツコツ」音のする靴なんか、もう履きたくないよ。 主夫業にそんな靴は必要ない。 必要ないんだ。 |
名前 内容 |
タイトル一覧 月別 |