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ヒモと呼ばないで

9年ぶりに帰ってきました。誰か助けて。

 ■ 2003/12/30 (火) 休日/単線


妻の…じゃなかった俺の休日。

今年最後の休日で、なんと31日も元旦も仕事だ。
予定では、次の休みは2日だ。

去年とえらい違いだ。
大掃除もままならない。

放送大学のWEB入学手続きが上手くいかなかったので、午後から、直接多摩キャンパスへ向かう。
45分歩いて到着するも、なんと昨日で正月休みに入っていた。
これがむしろフツー。
俺の感覚の方がずれてるんだ。

仕方なく、そのまま国分寺へ歩いて向かう。
無印良品で「ソファベッド」と「体にフィットするソファ」を見比べる。
共になかなか良く、値段も千円違いなので、一応チェックしておいた。
なんて言っても買うわけじゃ…いや、来月の給料入れば買えるのかな。
…買えるんだ。

次ぎに最上階のcandoに行き、仕事で使う懐中電灯を買う。

その後、駅ビルの芳林堂で、やっとお目当ての入学願書を手に入れるや否や、忙しなく帰途に就く。
理由は、夕方から義母に呼ばれてるから。

厳密に言うと、義母と義兄。
正月休みで帰郷してるんだ。

義兄は物静かで、電子機器などを買い物するのが好きな人。
今日も、義母が畳の上に強引に置いたソファの上で、FOMAのケータイのカタログを嬉しそうに眺めていた。
俺との関係は、特に問題はない。
っていうか、正月しか会わないから、それ以上よく知らないんだ。

知ってるのは、義母が「お兄ちゃんママ」だってことくらいか。

彼は一流製薬会社の役職。
俺は主夫生活に未練たっぷりの警備会社の準社員。

娘のことが心配だということを少し脇に置けば、自分の息子を立派に見せる引き立て役として、俺はかなり優秀なはずだ。

義母を喜ばすことができて光栄だ。
その見返りとして、出された豚しゃぶはたっぷり食べてきた。

食事中にもう「職探し」の話は出ない。
代わりは俺の新しい仕事についてと休日のスケジュールについての話だけだ。

…仕事が生活の殆どを占め、帰っても風呂とごはんだけ。
娘も寝てるし、妻は帰宅時には起きてくれるが、殆ど話もしない。
っていうか、彼女も次の日仕事だから、そんな余裕はない。

義母は笑いながら「慣れるまでは大変ね」と言った。

いつもはその「笑い」が、愛想笑いなのか、心からのものなのか、作り笑いなのかがすぐ分かるんだけど、今日はよくわからなかった。

何故なんだろう。


国分寺から帰るとき、今日は歩きではなく普段殆ど使わない西武多摩湖線というのに乗った。
これがなんと「単線」。

10分もかからず乗り換え駅に着く。

この駅の周囲は、遊歩道と公営と思しきアパートくらいしかなく、ここに住んでる人にとって、国分寺は、働くにしても消費するにしても便利な場所に違いない。

2点を結ぶ直線で生活が事足りる。
近くて便利。
そう言い切れるなら問題ない。

しかし、2点だけじゃ、多くの場合そう言えなくなるのも時間の問題だろう。

大抵「どっちがより重要か」を考え出すようになるし、周囲にもそれを強いられるようになるからだ。
仕事と家庭、勉強と部活動、あの娘とあの娘…双方を同じように大切にし続けることの出来る人なんて滅多にいないだろう。

そこで、第3点を持つことが重要になる。

要は「腕相撲」と「じゃんけん」だ。

拮抗してバランスを保っている状態に耐えきれず、片方が他方を我がモノにすることを是とする状態と、自分に「勝ち」をもたらす相手と「負け」をもたらす相手と「3人」で行う「勝利の方程式」が通じにくい「遊び」の状態との違いだ。

きっと今は、「仕事」と「家」の「2点」だから、休憩室のソファが俺の部屋まで侵入してしまうんだ。

だから、ここにもう1点を割り込ませる。

「放送大学」を割り込ませて「学生面」してやる。
学生証とテキストを以て「盾」にしてやる。
ぼんやり白日夢に陥る時も、授業のことを考えてやる。

2点間の「showdown」を回避して、「負けたー」とあっさり言える「じゃんけん」の世界を作れれば、また義母の笑いの意味も分かるようになるだろうか。


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