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ヒモと呼ばないで

9年ぶりに帰ってきました。誰か助けて。

 ■ 2004/01/22 (木) 自由研究


あと20分。

準備は全て調った。
あとは行くだけだ。

少し余裕ができると、馬鹿なことを思い出したりするのが俺の癖だ。

頭の中で、「余裕」→「自由」→「夏休み」→「宿題」→「自由研究」…という連想ゲームのガッツ石松レベルの想像が流れていく。

俺はこの「自由研究」というのが大嫌いだった。

「自由」って、何したらいいんだ。
「好きなこと何でもしていいのよ」なんて女の先生が言ってくれたこともあったが「そんな訳ないだろ」って、心の中で毒づいた。

毎日野球して、プール行って、クワガタ捕って…でいいのかよ。
よくないんだろ。

それで友達同士の牽制のし合いが始まる。

A「お前、何してる?」
B「地図作り。お前は?」
A「昆虫採集か本箱作り」
C「ウソ?!俺もそれやろうとしてたんだよ。でも同じでもいいんだよな。」
秀才D「俺、戦争だけに絞って、その年表書いてる」
A.B.C「すげー!やっぱ頭いいヤツは考えることが違うよな」

俺はというと、それをボーっと眺めながらまた心の中で毒づく。

「何処が『自由』『研究』だよ。全部去年誰かがやったやつじゃん。」
それに秀才君のも、何が「すげー」んだか。
俺には全然興味がないし。

「自由」って、もっと面白いもんじゃなかったか。
ワクワクしたりするもんじゃなかったか。

じゃぁ、お前は何を「自由研究」したのかって。

決まってるだろ。
近所の地図作りだよ。

別にいいだろ…何しろ「自由」なんだから。

それに「提出しない」っていう自由は認められないルールは守ったし。
それをしたら、もっとその自由は制限されてしまうんだから。

でも、本当にそうだったんだろうか。

未提出にしたことがない俺にはわからない。

その思いに従って、先生のいうことを無視するなんて強さがなかったんだ。

…これって、今と同じってことか。

まさか。

ああ、もうあと14分だ。

こんな真冬に何が夏休みの自由研究だ。
何を考えているんだ、俺は。
…。

あと14分。














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