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ヒモと呼ばないで

9年ぶりに帰ってきました。誰か助けて。

 ■ 2013/03/21 (木) 研修2日目/溺れる者の掴むもの


研修2回目。

徐々に分ってきた。
・・・この会社、ヤバい。

俺は46だ。
こんなヤクザ言葉に、肯定的な意味を持たせる若さなんてない。
「ヤバい」は「ヤバい」、そのまんまの意。

特に二人目の講師役の社員、曲者だ。
自分の責任を果たしてるんじゃなくて、「役を演じて」いる。
自分の素をどこまでも隠してるから、被弾しても表層で留まって、決して大事には至らない。

そんな強さ、いや・・・凄みがある。
今までの警備会社にはこんなタイプ、いなかった。
・・・これからずっと、こんなのと一緒かよ。

規則にもひと際厳しい。
「ダメです」・・・何回聞いたかな。

・・・。

それでも警備業という救命ボートは、日本の荒海に数多く浮かんでいる。
あまり取り出さされないが、実は、一番身近なセーフティネットに違いない。

そして、このセーフティネットは、「登記されていない」「身分証明できる」「前科がない」、程度の条件を満たせば誰でも乗れるだけじゃなく、そのボートを「選り好みする」ことすら可能だ。

だって、こんだけあちこちにプカプカ浮かんでるじゃねえか。

で、俺はあれこれ乗ったよ。
9年の間に、5艘にも。

で、だ。
・・・なくなっちゃった。

次のボートはもうない。
心底あって欲しいが、ないもんはないんだ。

こんな状況ですることは一つ。
後悔だ。
「あの会社はよかった」「前の現場はこんなに楽だった」・・・。

「あのボート、規則が緩いって有名だぜ」
「違うって、その隣の緑の船だろ、それは」
「いやいや、向こうの赤いボートが楽勝だって」

ネット、求人誌、ハロワ、新聞広告、そして、口コミ。
「情報」だなんて言っても、結局はどれも上記したようなものばかり。
その時点での自分の思い込みを肯定してくれそうな条件を150%くらい拡大解釈して、乗り込んでいく。

でも、それは所詮「救命ボート」。
漁船でも軍艦でも、ましてや客船なわけがない。

快適さを求めることが、そもそも間違ってるんだっていうの。
最低限「生きさせてやる」って船なんだからさ。

・・・。

今度の最後のボート。
狭っ。
暗っ。
臭っ。
汚っ。

だけど、もう乗り換えは出来ない。

俺が以前、「もう乗ってられない!」と意気揚々に下船したボートが、浪間に見える。
ここよりも快適なそれが。
ここより広くて、ここより明るくて、ここより清潔なそれが。

・・・。

ああ。
それで、このボート。

今度こそ、「落とされる」かも。
船酔いがキツくて、我慢できず吐いてる時に、波にさらわれて。
もっと「救助するに相応しい」人に押し出されて。

いや。

直接、蹴り出されるかも。
あの名優に。

そうなっても、彼の良心は痛まない。
演技だから。
彼の責任は問われない。
シナリオに従っただけだから。

で、そうなったら、俺は。

溺れる。

・・・おいおい、怖いな、マジで。
・・・。

・・・どうしよう、「マジで」書いてから20分も経っちまった。
次の言葉がない。

・・・。

「藁」だ。
「溺れる者」って言ったら「藁」だろ。

救命ボートにスルーされたら、もう「藁」しかない。
そうだ、「藁」だ「藁」。

で、なんだそれ。
「藁」・・何が「藁」だ。

・・・。

ダメだ・・・「藁」だ」書いてから、もう8分だ。

・・・。

・・・すいません。
「小説」、いいですか。
できるかわかりませんが・・・さらに、一度は自分で否定しておいて、言いにくいんですが。

「藁」になりそうな予感してきました。

「才能」「創作エネルギー」「表現力がずば抜けて素晴らしい」「素晴らしい文章力で読ませますね」「読んでいるだけで、あたかも、その場にいる様な気分になる。 プロの小説家並みの表現力です」・・・。

こんなお褒めの言葉頂いたことなどないので、舞い上がったり、逆に落ち込んだりしましたが、今は「藁」として、掴みたいのですが。

とにかく(こんなに力強く)私を肯定してくれる(名前も顔も知らない)誰かがいるなんて、それだけで、かなりラッキーですもんね。
そんな人の為に何かすることが退屈なわけがありません。

すいません、やっぱりダメって言われても、ちょっとやってみます。
何しろ、「藁」だし。
取れても取れなくても、多分結果は同じですよ。

でも、救命ボートの中にいるうちに、その「藁」、撒き餌のようにばら撒いてみます。
藁も積もれば、山・・・じゃない、もしかしたら流木の代わりくらいにはなったりして。

コメントで励まして下さった方々の暇つぶしをほんの少しでも豊かにできたら、望外の喜びです。

いつも励まして下さる方々、本当にありがとうございます。
気長に待ってて下さい。



長文、すいません。




名前

内容

B級主夫 ぱぱぽみゅ様、コメントありがとうございます。まず、色々読んでみます。ノンフィクションしか読んでこなかったので、これだけでも世界が広がりました。ありがとうございます。 (13/03/24 00:14)
B級主夫 腐敗官僚様、コメントありがとうございます。そうなったら裁判して賠償金取ります。証言をお願いします。 (13/03/24 00:13)
腐敗官僚 いや…このままここに書き続けていくと、記載されている日記を丸ごと盗作して、”自分の自叙伝”として出版社に持ち込むヤツが出てきそうな気がする…。 (13/03/22 23:38)
ぱぱぽみゅ なるほど、状況が厳しければ厳しいほど創作の質が上がるのですね、ワタクシは才能+努力だと思います。そして主には努力するだけの価値があると感じています。(ドキドキっ) (13/03/22 00:11)
B級主夫 めとろん様、ありがとうございます。泣きそうです(マジで)。 (13/03/21 23:40)
めとろん 藁なんだったらきっと成功すると思う。創作活動ってちょっとぬくぬくしだすとすぐ質が堕ちちゃうものだからさ。書き出したら実感すると思います。お待ち申し上げます^^ (13/03/21 23:28)


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