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人生には必ず邪魔が入る。 |
■ 2025/04/21 (月) 【名もなき男の、ああくだらなき我が人生】 最終章 第九話 |
【名もなき男の、ああくだらなき我が人生】
最終章 第九話 妻がワンコに付きっきりになった生活も1年以上経った頃かな。 いつもと同じ、代わり映えのない休日の朝だった。 今日は定期的に行っているワンコの病院の日。 診察してもらったところ、だいぶ身体の状態が悪いらしい。 薬を処方してもらい帰宅したのだが、状態は悪化。 緊急で再来院し、すぐに診てもらえた。 突然過ぎる最期を迎える事となった。 しかし、この時はそこまでの状態になるなんて考えてもいなかった。車屋に仕事道具である車の修理があったので妻とワンコを病院に預けて私は車屋に向かった。 電話がかかってきた。なんか奥歯に物が挟まったようなよく解らない内容で私にしゃべる妻。とりあえず車屋が終わったら直ぐ行くから、と伝えた。 正直この時は妻に対してイライラしていた。 電話かけてきたって直ぐには行けないだろ!何の為にお前がワンコと一緒にいるんだよ! という気持ちであった。しかし、良くない状態なんだと言う事も理解はした。 後々に気づく、最期を見届ける為の電話であった事に。 車屋の用が終わり病院に急いで向かい中に入る。 診察室の中へ通してもらうと 妻がいた。ワンコは・・・ 「ワンコ、安らかな最期だったよ・・・」 無理に作っていた笑み、そして流れる涙、身体が動かなくなってから数秒、何が起きたのか全て察した。 病院から車屋へ行くとき、診察台の上にいたワンコ、その時に目を合わせたあの瞬間、まさかあれが最期に・・・ 病院の方々がワンコの身体が腐敗しないように処理している間、診察室の扉を閉めて我々を待たせてくれた。 床の上に座り、何を喋ったのか、どれだけの沈黙があったのか、今はもう覚えていない。流した涙の量も解らない。 時期に病院の方が動かなくなったワンコを連れてきてくれた。 お疲れ様、病気治ったね、もうお薬飲まなくていいよ。 家に帰ろ。 その時代に捧げるBGM 大きな古時計 カバー平井堅 https://youtu.be/E3hvxbM_ubw?si=tcnR-u-cqonQDR2e |
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