ゴール前直線。

お客さんがプリカ（プリペイドカード＝現金カード）２万円分を購入後、給油を始められました。
勧誘員はプリカであっても声は掛けます。
「プリカ購入ありがとうございます」
「プリカだとこのスタンドのみの御使用になりますので、全国通用しますクレジットカードの割引に変えられませんか？」
「ちょうど今から入会でそちらのプリカが終了する頃に到着します」
ざっとはこんな感じ。



客「クレジットカードは好きではないので今回はいいです」
私「わかりました。ありがとうございました」
ここで給油は終わった。
私「レシートをお忘れになっていませんか？ありがとうございました」
これでこのお客さんへの勧誘は終了、事件は２,３０分後に起こりました。
このお客さんがスタンドに戻って来られた（らしい、私は勧誘中）



客「プリカを取り忘れたが残っていないか」
従業員「えーーーっ？！！」
客「あの人に声掛けられて気が散って取り忘れた」（といったらしい、後で聞いた）



即刻盗難のプリカの番号を調べたが、使用履歴はないので持って帰ったはず。即刻使用停止処置（こんな事できるんですよ〜）
次にビデオテープを巻き戻しての検索。
プリカを失くしたお客さんが来たところから今現在の間の、一号機に来た人全員が被疑者です。
全ての客の映像とその人が支払いに何を使ったかは分かりますから、そこから割り出します。
犯人は次にプリカを使った人までの間に絞られます。
現金とクレジットカードは取り出し口が違うので機械操作続行できるが、前のプリカが取り出し口に残っているとプリカは使えないからです。
次のプリカ使用者は判明。
次のプリカ使用者は別番号プリカを使用、とりあえず彼までの間の、被疑者は数人に絞られました。
それからはビデオを巻き戻して手元の確認。
プリカの取り出し口は現金とクレジットカードからは離れているので、明らかに取り出し口に近づいていない人は省かれます。
そうこうして結局１人に絞られました。
実はこの先は個人情報で、犯人を現実に住所特定して捕まえる事はできません。
基本はセルフは自己責任で、忘れられたプリカは落し物扱いになり、窃盗ではないからです。
もちろん警察沙汰にもできますが、駐車場の事故は責任を負いませんっていう、あれと同じですね。
でもそのプリカを犯人が持ってきて機械を通すと使用停止処置がかかっているので、従業員がやってきて
「そのカードは別のお客様のものですから、返却してください」
といわれます。そうやって元の持ち主に戻ります。
究極にカッコ悪いですね・・・
みなさんも、プリカが残っていたら出来心が沸きそうですが
すぐ事務所に「これ残ってましたよ〜」って届けてくださいね。すべてバレてます怖いです・・・



さて私ですが、従業員がばたばたしていたので
「何かありましたか？」
とのぞくと
「お客さんがプリカを忘れたらしくて」
という返事。
「大変ですね〜」
と言ってまた勧誘に出たんですが、よくよく考えると給油中私が声を掛けてる。
勧誘がわずらわしいのは私自身よくわかっています。
お客さんは私の声掛けで集中が途切れたはずで、私が悪いと思ってるはず・・・と思いました。
私にも自分の責任じゃない！っていう言い訳めいた気持ちはあります。
私自身はマニュアル通り操作中は待って、給油開始とともに声掛けしています。
でもね・・・



内心いやだいやだと思いましたが、またお客さんのところに戻りました。
「今よく考えたんですが、私がお声掛けをしたせいでお客さん気が散られたんでしょうね。申し訳ないことをしました。すみませんでした」
って言いました。
お客さんは良い人だった。
一言「いいえ〜」と言った。表情は柔らかかった。
言いたいこともあったはずですが。
実際初め戻って来たときは、勧誘で気が散ったと言ってたらしいから。



今まで私的には、レシートには割引券と、現金のお客さんにはおつり券が付いているので
「お取り忘れのないように」
って一言入れてましたが、これからは声を掛けた者の責任として
「クレカやプリカのとり忘れないですか？」
も言っていこうと思いました。