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ヒモと呼ばないで

9年ぶりに帰ってきました。誰か助けて。

 ■ 2003/12/10 (水) 不採用通知/冬枯れ


妻の休日。

午前中から新しくできたスーパー、いつものスーパー、ベビー用品店と自転車で駆け回る妻。
俺は、その間いつもの家事を済ませ、午後からいつものように里山へ。

一歩山に入ると「絨毯」だったはずの落ち葉も埃っぽく乾燥してその弾力を失っていることがすぐ足の裏から感じられた。
少し前まではっきりと黄色、赤、茶色と見分けられた紅葉も、ほぼ茶色一色に染まりつつある。
しかし、紅葉の盛りが終わってしまったことより、これからどんな冬枯れの里山を見られるのかという期待の方が大きい。
冷たい風の中、体がどんどん温かくなっていく感覚は大好きだ。
それを山で味わえるのかと思うと、ワクワクしてくる。

気分良く帰宅するや否や、いきなり玄関先で妻がそわそわしながら白い封筒を差し出す。

妻「○○ホテルから返事来てるよ。」
俺「えっ、○○ホテル??…なんで?…俺、応募してないよ。」
妻「あたしが出しといたの。」
俺「…はぁ???」

ハローワークで紹介されたホテルへの履歴書は、確かに紹介状を貰ってきたその日のうちに作って机の上に置いておいた。
しかし、その後、警備会社から採用通知を受けたので、もうその会社のことは頭から完全に離れ、そのまま放置して置いたのだが、どうやら彼女は、それを勝手に郵送したというのだ。

結果は、不採用。

バイトの警備よりも「ホテルマン」の方がいいってことなんだね。
もう、怒る気もしなかった。

妻は唖然とする俺を尻目に、「でも、まぁいっか。とりあえず一つ決まってるんだから。」なんて言ってる。

その「決まってる」という言葉をあらためて聞くと、「専業」主夫から離れることにだめを押されたような気持ちになり、今歩いて得た精気を一気に放出してしまった。

もう「ハローワーク通いで職探し中」という「ループ」を以て「防衛システム」とする毎日も、効力を失ったのか。
今思えば、そんなに悪いものじゃなかったのかも。

「不採用通知」の一枚一枚が、自分の無能さを突きつけられるという痛みであっても、数が溜まっていくに従って弾力を持ち、「絨毯」ように感じられる一歩手前まできていたのかもしれない。

里山だけじゃなく、実生活も冬枯れか。

でも、全然ワクワクしない。
そんな生活が、俺の体も心も温めることなんて出来るわけ無いからだ。


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