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放蕩騎士の徒然語り。


 ■ 2007/08/21 (火) 幸運のアングルス


少し前のことだが……ブックマーケットを歩いていたところ、ある本を見つけたのだ。
これだ。
http://members14.tsukaeru.net/thinkzink/hbsf/n-smith.html
やっと貴女の言葉で話が出来るな!シャンブロウよ!私は貴女を五年の間捜していたぞ!C・L・ムーア!
http://www.iscb.net/mikio/9907/11/

失礼……取り乱した。
Weird Talesに持ち込まれたこの本の第一作「Shambleau」を読むなり、同誌編集長ファーンズワース・ライトは「この日をC・L・ムーア記念日にしよう!」と叫んだそうな。
 かのH・P・ラヴクラフトまでもが、これを褒め称えたと聞く。
 野田昌宏氏は、これを翻訳する機会を与えられなかったことに、地団駄を踏んだそうな。(なんだって他人の訳した『シャンブロウ』を読まなきゃならないんだ!by野田昌宏 と後書きで書いていたような)


《火星の植民地の小さな町、ラクダロールの狭い通り。
 群衆が大声で叫びながらこちらに来るのを見て、ノースウェスト・スミスは油断なく熱線銃の握りに手をのせます。
 現れたのは、赤褐色の肌に、目もあやな燃えるような真紅のぼろ布をまとった若い娘。愛らしい肢体、美しい顔。小さなターバンで髪をおおい、指は三本。人類ではない。
 「シャンブロウ! シャンブロウ!」
 群衆は叫び、その娘をリンチにかけようとしている。
 娘は、絶望の表情でスミスの背後にうずくまる》

 かくて助けてしまった娘を、自分の宿に連れて行くスミス。
 夢うつつのNWの視線の先で、彼女はターバンを解く。ほどけ出る真っ赤な髪の毛。悪夢はここから始まった。

 おお!おお!陳腐なまでのスペースオペラの世界。
 あまたの宇宙活劇を凡策に落とし込んだ幻想的な赤い恐怖が、ページを彩る。

今回は一巻の『大宇宙の魔女』のみ見つけたが、じきに残りも見つけてくれる。
なおこの作品を読むと酒(それもウィスキー)が呑みたくなるので注意(笑)



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