200X年、底なしの不況にあえぐ日本列島。
これまでならば、車寅次郎の巧みなセールストークに思わず購買
行動に出たであろうお人よしの消費者は、もはや存在しなかった。
葛飾区柴又で草団子屋を営む彼の実家は、日本人の味覚の変化に
ついていくことができず経営が悪化、廃業を余儀なくされた。
それにくわえて、彼の妹夫婦が勤務する印刷会社は、得意先である
大企業の注文が中国、ベトナムにシフトし、瞬く間に倒産した。
帰るべき場所を失った寅さんは、人生ではじめてハローワーク(旧
職安)を訪れた。
投稿者 : 30代無職 日時 : 05/10/01 20:19